真正細菌におけるシャペロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 13:58 UTC 版)
「シャペロン」の記事における「真正細菌におけるシャペロン」の解説
真正細菌で機能するシャペロンにGroEL(グループI型シャペロニン)がある。このシャペロンはコシャペロン(シャペロン補助因子)GroESの共存によって正常に機能することができる。GroELとGroESはシャペロニンとコシャペロニンと呼ばれることもある(シャペロンとして最初に明らかにされたためこう命名された)。 一方、古細菌にはシャペロニンに相当するものとしてHSp60(グループII型シャペロニン)が存在するが、GroESに相当する補助因子を必要とせず、GimCという因子が補助的に働くという報告がある。真核生物では細胞本体に古細菌と相同のシャペロニンを持ち、オルガネラに真正細菌と相同のシャペロニン(GroELに相当、GroESもある)を持つ。この他、GroEとHsp40を補助因子として必要とするHsp70というシャペロンが全ドメインから見つかっている、 GroEL/GroESシャペロンは以下のように機能する。まず樽のような構造をなしているGroEL/GroES 複合体がその中へ、露出した一連の疎水性アミノ酸部分を取り込む。この初期段階ではシャペロン複合体の内部は疎水性が高い。タンパク質分子(または一部のドメイン)がこのカプセルの中で正常にフォールディングすると、内部は親水性に変化し、これによってフォールディングしたドメインはシャペロン外の水中に放出される。このサイクルは何度も繰り返されるが、疎水性・親水性変化にはGroEL/GroESのコンフォメーションの変化が必要で、ATPの加水分解によりそのエネルギーが供給される。
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