真正性:オートグラフィック 対 アログラフィック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 07:56 UTC 版)
「芸術の言語」の記事における「真正性:オートグラフィック 対 アログラフィック」の解説
同書のこのセクションにおいて、グッドマンは芸術の哲学における独特の問題に注意をうながす。すなわち、絵画作品の贋作は作ることができるのに、音楽作品の贋作は作ることができないのはなぜかという問題である。たしかに、オリジナルと贋作の間には、重要な美的差異がある。グッドマンはこのことを確かめ、その差異のあり方を明確にしたうえで、この問題に対するひとつの回答を提案する。彼によれば、ある芸術形式に属する作品は、どれが真正(authentic)な作品でありどれがそうでないかを特定するための記譜法(notation)がありえないとき、かつそのときにかぎり、贋作を作ることができる。 いいかえれば、音楽作品は楽譜として書き留めることが可能であり、それゆえその楽譜に適切に一致する演奏はなんであれ真正なものとみなされる。それに対して、何がある絵画作品の真正な事例であり何がそうでないかを定義するような記譜法はない。それゆえ、絵画作品の贋作を作ることができる。
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