真正性への疑惑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 15:10 UTC 版)
「スナッピー (犬)」の記事における「真正性への疑惑」の解説
「黄禹錫#ES細胞論文不正事件」も参照 2005年の終わりから2006年にかけて、黄が行った一連の反倫理行為への告発が行われた。初めに問題とされたのは、スナッピー以前に黄が発表していたヒトクローン胚の作成についての研究だった。黄が卵子提供者に対価を供与していたこと、部下の研究員から卵子の提供を受けていたことが相次いで報道された。これらは生命倫理規定への重大な違反であった。また後に、論文に添付されていた写真の説明に虚偽があったことと、幹細胞ラインとされた細胞のほとんどが実際にはクローンではなかったことが明らかになった。 これらの告発によりスナッピーの信憑性についても深刻な疑惑が持ち上がったが、黄は真正のクローンであるという主張を曲げなかった。黄は韓国のDNA研究所HumanPass Inc.に依頼してクローンであることを立証させたが、ソウル大の調査団は黄自身が依頼した検証結果を受け入れず、独自に調査を行った。さらに『ネイチャー』誌もアメリカ国立衛生研究所に検証を依頼したほか、ソウル大調査団に調査結果の公表を求めた。その結果、ヒトのクローンES細胞に関して不正行為があったことは間違いないものの、犬クローンに関する研究は正当なもので、スナッピーは確かにアフガン・ハウンド成犬のクローンであることが確かめられた。いずれにしても黄は研究ねつ造のため詐欺罪で起訴され、大学から解任された。 黄の離脱後、その教え子で犬クローンの主要貢献者だった李柄千(イ・ビョンチョン、이병천)が研究室を引き継いだ。黄のスキャンダルに伴い、部下だった李もねつ造と研究費横領の責任を免れなかったが、ソウル大は「クローン犬『スナッピー』研究成果と発展の可能性などを総合的に斟酌」して停職処分にとどめていた。
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