真正性をめぐる論点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 21:49 UTC 版)
「テサロニケの信徒への手紙二」の記事における「真正性をめぐる論点」の解説
第二テサロニケ書は、第一テサロニケ書とともにいわゆる『マルキオン聖書』(2世紀半ば)に収録されていたし、『ムラトリ正典目録』(2世紀末頃)でも実質的に正典として扱われていた。そのように、かなり早い段階からパウロの真正書簡に含まれ、近代になるまで疑われることはなかったが、現在では様々な点から擬似書簡の疑いが提起されている。 この種の議論の嚆矢とされるのは、J・E・C・シュミットの指摘(1801年)である。しかし、彼の議論は真正書簡と見なしつつ、第一テサロニケ書の終末観と一致しない第2章1節から12節を後代の挿入と見なすものであった。その後、F・H・ケルン(1839年)、ウィリアム・ヴレーデ(1903年)が疑問を投げかけ、いくつもの観点から擬似書簡説を唱えた。 他方で、それらの疑問点は真正書簡であることを覆すには至らないものばかりであるとして、真正書簡と見る論者も少なくない。以下、主要な論点について、双方の主要な立場の概要を示す。
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