真岡郵便電信局事件とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 真岡郵便電信局事件の意味・解説 

真岡郵便電信局事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/27 03:41 UTC 版)

真岡郵便電信局事件(まおかゆうびんでんしんきょくじけん)とは、太平洋戦争後の樺太の戦いで、真岡郵便局の電話交換手集団自決した事件である。当時日本領だった樺太では、一方的に条約破棄したソ連軍と日本軍の戦闘が、1945年8月15日玉音放送後も続いていた。真岡郵便局の電話交換手(当時の郵便局では電信電話も管轄していた)は、疎開引き揚げ)をせずに業務中だった。8月20日に真岡にソ連軍が上陸すると、勤務中の女性電話交換手12名のうち10名が局内で自決を図り、9名が死亡した。真岡郵便局事件、また沖縄ひめゆり学徒隊と対比して北のひめゆり(事件)[1]とも呼ばれる。


注釈

  1. ^ 『電話交換手たちの太平洋戦争』の筒井健二による前書きではことごとく死んだとしているが、本文内容では、完全に小説仕立てではあるものの、消火活動が奏効した例、最後は避難して助かった例などが紹介されている。
  2. ^ 具体的な日付は不明。また月も「一瞬の夏」では8月、「永訣の朝」では7月と記述が異なる
  3. ^ ロシア側資料によれば、上陸開始時刻は午前7時33分である

出典

  1. ^ 北のひめゆり事件と九人の乙女”. 北海道ファンマガジン (2010年2月17日). 2012年2月9日閲覧。
  2. ^ 「樺太終戦史」(昭和48年発行 樺太終戦史刊行会編纂)
  3. ^ a b 筒井 健二『電話交換手たちの太平洋戦争』文藝春秋企画出版、2010年12月15日、7-10頁。 
  4. ^ a b c d e 川嶋康男『「九人の乙女」はなぜ死んだか』恒友出版(株)、1989年8月20日、3,111,190-191,192,212,221頁。 
  5. ^ a b c d e f g h i 川嶋康男『永訣の朝』(株)河出書房新社、2008年8月20日、7,122-123,241-242,160,161,165,166,227-228,202頁。 
  6. ^ 竹野学 著、坂本悠一 編『帝国支配の最前線』(株)吉川弘文館、2015年5月1日、108頁。 
  7. ^ 『戦史叢書第044巻 北東方面陸軍作戦<2>千島・樺太・北海道の防衛』 44巻、朝雲新聞社、1971年、476頁。 
  8. ^ a b c d e f g h 川嶋康男『永訣の朝』河出書房新社、2008年。ISBN 978-4309409160 
  9. ^ a b c d 読売新聞社 編『昭和史の天皇』 6巻、読売新聞社、1969年4月1日、365,367,370-371,374-375頁。 
  10. ^ 永訣の朝(2008)P.213
  11. ^ a b 「九人の乙女 殉職の記録」(昭和57年発行 北海道電気通信局編)
  12. ^ 『映画 北の舞台』(昭和55年 朝日新聞北海道報道部編)
  13. ^ 「稚内報話」昭和44年9月号
  14. ^ 『九人の乙女 一瞬の夏』
  15. ^ a b c d e f g h 『女たちの太平洋戦争 北の戦場 樺太で戦った乙女たちの生と死』P160-161,131-132,136,157-158,161
  16. ^ a b 『樺太一九四五年夏 樺太終戦記録』
  17. ^ 創価学会婦人平和委員会編『フレップの島遠く (平和への願いをこめて (11 樺太・千島引揚げ(北海道)編))』第三文明社、2000年、P91-96頁。 
  18. ^ a b c d e 道下匡子『ダスビダーニャ、わが樺太』河出書房新社、1996年1月25日、80頁。 
  19. ^ 樺太一九四五年夏(1972)P.278
  20. ^ a b c 『昭和史の天皇』 6巻、読売新聞社、1969年4月1日、359,371,374頁。 
  21. ^ 谷川美津江『女たちの太平洋戦争 北の戦場 樺太で戦った乙女たちの生と死』(株)光人社、1995年9月10日、131-132頁。 
  22. ^ a b c 『昭和史の天皇』 6、読売新聞社、1969年4月1日、372,359,373頁。 
  23. ^ 「一九四五年夏 最後の日ソ戦」(中山隆志著 中公文庫)
  24. ^ a b c 道下匡子『ダスビダーニャ、わが樺太』(株)河出書房新社、1996年1月25日、50,60頁。 
  25. ^ 語り継ぐ戦争 「これが最後です。さようなら、さようなら」集団自決、同僚9人の死 栗山知ゑ子さん”. 朝日新聞デジタル. 2023年7月10日閲覧。
  26. ^ 林えいだい『証言・樺太朝鮮人虐殺事件』風媒社、1991年9月1日、230頁。 
  27. ^ 金子俊男(北海タイムス)『樺太一九四五年夏』講談社、1972年8月4日、280,285-286頁。 
  28. ^ 『樺太一九四五年夏 樺太終戦記録』P329,285-286
  29. ^ a b 『女交換手真岡に玉砕す』文藝春秋1967年9月号pp.242 - 249
  30. ^ 『昭和史の天皇』読売新聞社、1969年4月1日、359,382頁。 
  31. ^ a b c 『女たちの太平洋戦争 北の戦場樺太で戦った乙女たちの生と死』P157~P177
  32. ^ 永訣の朝 (2008) P.153-155
  33. ^ 『「九人の乙女」はなぜ死んだか』
  34. ^ ボリス・スラヴィンスキー『千島占領—一九四五年夏』共同通信社、1993年、P72~P75頁。 
  35. ^ 山下精一『樺太の郵便』日本郵趣味出版、1978年、P96~P97頁。 
  36. ^ 『昭和史の天皇6 樺太での戦い』読売新聞社、1980年9月、P363頁。 
  37. ^ 『九人(くにん)の乙女』の物語/稚内観光情報 最北のまち稚内”. 稚内市役所 建設産業部 観光交流課. 2023年7月17日閲覧。
  38. ^ 『樺太一九四五年夏』講談社、1972年8月4日、337頁。 
  39. ^ 九人の乙女の碑/稚内観光情報 最北のまち稚内”. 稚内市 観光交流課. 2023年7月17日閲覧。
  40. ^ 『九人の乙女 一瞬の夏』P189


「真岡郵便電信局事件」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「真岡郵便電信局事件」の関連用語

真岡郵便電信局事件のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



真岡郵便電信局事件のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの真岡郵便電信局事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS