異見前史とは? わかりやすく解説

異見前史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 23:50 UTC 版)

赤い靴」の記事における「異見前史」の解説

『捏像 はいてなかった赤い靴』の刊行以前にも、当曲解釈相違表面化したことがあった。2003年平成15年2月NHK教育テレビ教養番組NHK人間講座』の「人はなぜ歌うのか」シリーズ出演した永六輔は、野口不二子から聞いた話として、「『赤い靴』の赤は実はソ連のことで、「そのソ連社会主義がどこかへいっちゃった」と情は謳っているのだが、治安維持法による検閲逃れるため隠喩用いたのだ」と紹介した。 だが野口不二子は、週刊新潮2004年平成16年6月17日所載記事中で、「永さんと情の童謡について何かを話したということはありません」とこれを否定、「私はたしかに聞きましたからねえ」とする永との間で差を生じている。また同記事は、「治安維持法成立は『赤い靴』の発表数年後である」と永の誤解指摘する作曲家江口浩司コメントや、「情の名作反日ソングあるかのように曲解している」と永を批判する作曲家すぎやまこういちコメント掲載している。 また同記事中研究家情会元理事長西条和子は、情が鈴木史郎から聞かされた話が詩作キッカケになったと「定説」を紹介し、「永さんの赤はソ連という解釈はどうかな、と思いますね」とコメントしている。 同記事結論部分は、「歌というものは作った人がどんな気持ちだろうが、後世の人々思い左右されてしまうものですよ」と詩歌受容論に逃げようとする永六輔を、「童謡理屈によって歌詞判断許されてはをりません」という自身文章引用して記者切り捨てている。 ただし同記事は、情が社会主義詩人として出発したこと、鈴木史郎平民農場に関わっていたことについては一言触れていない。その後情の作風の変化が、心底から転向し社会主義捨てたことによるものなのか、それとも転向偽装社会主義詩作根っ子残っているのか、という論点検証なされていない。 また野口不二子後日、『赤い靴』は社会主義者野口茂吉を「ベースにして書いたとも思われる」としていて(前述)、永六輔論考多少食い違いはあっても、「赤い靴社会主義」説を否定するものではない。 2007年平成19年)、『捏像 はいてなかった赤い靴出版プロモーションにあたって阿井渉介当初週刊朝日頼りにしたのだが、週刊朝日記事は必ずしも阿井菊地批判全面的な賛意を示さなかった。このことを不満とした阿井週刊新潮に話を持ち込み週刊新潮は「週刊朝日への揶揄」を中心とする記事掲載した阿井週刊新潮が「赤い靴社会主義」説を否定する立場にあることを知らず週刊新潮編集部は『捏像』が「赤い靴社会主義」説に立脚していることを読み落としたと思われるが、結果週刊新潮は「誌内不統一」を自ら招いたのである。 なお、2009年平成21年12月オンエアされたTBSラジオ土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」の中では、ゲスト松島トモ子が「定説」を紹介している。

※この「異見前史」の解説は、「赤い靴」の解説の一部です。
「異見前史」を含む「赤い靴」の記事については、「赤い靴」の概要を参照ください。

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