現状とJRの対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 10:01 UTC 版)
「国鉄千葉動力車労働組合」の記事における「現状とJRの対応」の解説
JR東日本千葉支社管轄の各線では、動労千葉の争議行為に伴う間引き運転や運休(久留里線など)、列車の遅れがしばしば発生していた。本線運転士の春闘のストライキは2001年から2010年まで9年連続で行われ、地元ではもはや「春の風物詩」となっていた。一部では「花見スト」などと揶揄されるとともに、これらのストライキには房総各線の利用者からの嫌悪、反発も多かった。なお2011年以降はこのような事態は起こっていない。 動労千葉では、JR東日本の進める検修部門の外注化に断固拒否の姿勢を堅持している他、子会社であるCTS会社の労働環境の改善要求や、運転士を駅の輸送担当に異動させる「ライフサイクル」の施策に激しく反発している。 習志野電車区が閉鎖され、配置車両は三鷹電車区(現・三鷹車両センター)へ転出、幕張車両センター配置のE217系が全車両とも鎌倉車両センターへ転出したのは、保守部門の効率化という一面もさることながら、動労千葉の「外注化拒否」に対するJR東日本の対抗姿勢の現れとも言われている。 動労千葉は、鎌倉車両センター移管後車両トラブルが頻発している理由を動労千葉のベテランを排除したためと主張している。なお、動労千葉は外注化に対してJR東労組が会社側と妥協したとして、批判している。 動労千葉は、E231系・E233系のような新系列車両が軽量車体であることやボルスタレス台車を採用していること(動労千葉はボルスタレス台車がレールの極端な磨耗や車両脱線事故の原因になり、結果としてJR福知山線脱線事故を招いたとして採用に反対している)、「成田エクスプレス」や総武快速線の高速運転に対し危険性を主張している。また、2013年3月16日に開始された久留里線のワンマン運転、2021年3月13日に開始された内房線および外房線のワンマン運転の中止を求めている。 1985年と1986年に行われたストライキによる解雇者については、1996年3月27日に千葉地方裁判所で日本国有鉄道清算事業団との間で和解が成立した。被解雇者は全員和解金(退職金)を受けて、処分日に依願退職したと同等の扱いとなり、職場復帰はなかったものの、一定の勝利解決を見ている。 2006年9月には、館山運転区廃止に関する廃止反対集会を開催し、来賓に市長や観光協会長を招いてともに運転区廃止反対の声を上げ、2007年3月には廃止反対のストライキも実施されたが、結局館山運転区は廃止され木更津運輸区に統合された。これにより館山支部は解散となった。 2010年以降は、検修部門外注化に反対する立場で、検修社員のストライキに戦術の重点を置いているため列車の運行に影響は出ていなかったが、2013年3月は久留里線のワンマン化に反対する列車のストライキを行った。「スト破り」へのけん制も盛んに行い木更津駅周辺での集会なども行ったが、会社側は代務でのやりくりで対応し、列車はダイヤ通りに運行された。また成田空港問題については、2017年現在も三里塚芝山連合空港反対同盟(北原派)と行動をしており、反対派が主催するデモ活動にも参加している。
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