無洗米
無洗米とは、あらかじめ肌糠(はだぬか)を除去してから出荷される米のこと。「米を研ぐ」作業が不要となり、さっさと炊ける。研ぐ手間だけでなく研ぎ汁の排出も省ける。
一般的に流通している(無洗米でない)米は、精白された精米(精白米)である。肌糠は粘り気が強く、従来の精米では除去しきれず、炊く前に水洗いする必要があった。これを特殊技術により解決し、肌糠の除去を実現した米が、無洗米である。
無洗米の作り方(精米を無洗米にする方法)には、いくつかの技術がある。
従来の精白米は、米を研ぐことにより、米に付着していた糠が除去される。普通の精白米向け計量カップは、糠の分わずかに量が減ることを前提して容量が設定されている(水加減も同様である)。無洗米はあらかじめ糠が除去されているので、普通の精白米向け計量カップで計量してしまうと分量が多めになってしまう(水加減は少なめになってしまう)。その点を注意しておかないと、硬いまずい飯が炊けてしまう危険がある。
無洗米(むせんまい)
通常、コメを炊く前に、表面に残っているぬかを取り除くため、十分な水で何回かに分けてコメを研ぐ必要がある。この手間を省くべく登場したのが無洗米である。
無洗米を作るために、専用の精米機が開発された。1991年、和歌山県にある東洋精米機製作所が先駆けで、現在では9割ものシェア(市場占有率)をもっている。
この専用精米機には、コメのうまみとなるビタミン類や栄養をそのまま残すことのできる特殊な技術が使われている。そのため、味や栄養面では、通常のコメと同等かそれ以上となると言われている。
現在のところ、「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」といった有名なブランドの無洗米から、タイ米などの無洗米まで市場に出回るようになった。家庭用に消費されるだけでなく、人件費の削減などのため、ごはんを使う飲食店でも採用する動きが広がっている。
1992年度に 1,500トンだった無洗米の消費量は、1999年度には 163,000トンにまで拡大している。コメを洗う手間が省けるばかりか、家庭から排出される研ぎ汁をなくし、環境にやさしいというメリットもある。
(2001.01.13更新)
無洗米
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 03:06 UTC 版)
無洗米(むせんまい)は、英語における pre-washed rice に対応する日本語[1]。予め、前もって研ぎ洗った米という意味である。
- ^ 『新和英中辞典』研究社、2006年。
- ^ 松本仲子. “お米は研がずに手早く「洗う」これでご飯がもっと美味しくなる”. 幻冬舎. 2021年2月15日閲覧。
- ^ 貝沼やす子 長尾慶子 畑江敬子 島田淳子 (1990). “洗米方法が米の食味に与える影響”. 調理科学. 23(4).
- ^ “無洗米の広がり”. 特定非営利活動法人 全国無洗米協会 (2011年8月12日). 2012年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月16日閲覧。
- ^ 無洗米に関する意識調査結果 | 特定非営利活動法人全国無洗米協会のプレスリリース
- ^ http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2007/02/0227.html[リンク切れ]
- ^ http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2007/03/0306.html[リンク切れ]
- ^ 相子清造 『無洗米の衝撃-コメが風土を変える』 2005年12月、ISBN 978-4-7511-0551-1、30頁。
- ^ a b 家庭排水をきれいにするために(PDF) - ウェイバックマシン(2011年12月13日アーカイブ分) (千葉県環境研究センター)
- ^ 合成洗剤を微生物が分解する場合、微生物は洗剤の毒性で死亡するため、酸素消費量がとぎ汁を分解する際より少なくなる。そのため、BOD上では合成洗剤の方がとぎ汁よりも環境への負荷が小さくなる。
- ^ 国民生活センター | 無洗米の品質・安全衛生・環境性等を調べる - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分) 2002年6月6日
- ^ 特定非営利活動法人全国無洗米協会 | 無洗米Q&A
- ^ 国民生活センター | 無洗米の品質・安全衛生・環境性等を調べる - ウェイバックマシン(2017年3月10日アーカイブ分)
- ^ 米の鮮度判定器 RN-820「鮮度マイスター」| 株式会社ケツト科学研究所 - ウェイバックマシン(2017年7月9日アーカイブ分)
- ^ え!「とぎ汁が環境破壊の帝王」? 新聞「農民」 2002年4月22日
- ^ 特開2003-340296 / 特願2002-155782 / 特許3904974
- ^ 佐伯矩 『栄養』 栄養社。
- ^ 無効の審決|無効2000-35501 - 特許審決データベース
- ^ 無効の審決|無効2002-35389 - 特許審決データベース
無洗米
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:45 UTC 版)
精白した白米の表面に付着している糠の粉を取り去った精米。洗米の必要が無く、洗米すると栄養が溶け出すので洗米しない方が良く、節水にもなる。それにより白米よりは当然単価は高いものの、洗米時の水道代を考慮した場合の総合的なコストが白米より低くなる場合がある。
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