湖西線・草津線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:38 UTC 版)
東海道本線と北陸本線を短絡する湖西線は1974年7月に開業し、普通列車に113系が投入されることとなったが、寒冷地を走ることから耐寒耐雪装備が必要となり、700番台が新製投入された。 1980年3月のダイヤ改正では、桜井線・和歌山線とともに草津線が電化された。草津線電化用には2700番台が新製投入され、湖西線の700番台との共通運用が行われた。電化が完成した草津線では、2往復の客車列車を除く全列車が113系電車での運転となった。草津線客車列車は1980年の電化後も50系(DD51形牽引)で運転され、草津から東海道本線経由で京都まで乗り入れていたが、1989年に電車列車に置き換えられた。 投入当初は高槻電車区に配置されたが、1986年に宮原電車区へ移管された。国鉄分割民営化後は700・2700番台は宮原電車区に104両(6両編成6本、4両編成17本)が配置され、湖西線・草津線のほか東海道本線・山陽本線で運用されていた。700・2700番台は1992年より高速化改造が施工され、5700・7700番台となっている。 1994年9月には福知山運転所の800番台クハ111-811ほか4両編成が向日町運転所に転入し、高速化を行わず草津線用で運用された。編成はC11編成となり、塗装は福知山色で運用されたのち湘南色へ変更された。この編成は1999年に下関へ転属してH01編成となり、中間電動車の115系への差し替えを経て両先頭車は2016年に廃車となるまで運用された。 1995年には湖西線・草津線用の4両編成が宮原電車区から向日町運転所に転入している。向日町運転所は1996年に京都総合運転所の本所となり、京都総合運転所の本所は2012年に吹田総合車両所京都支所となった。京都総合運転所の113系は山陰本線(嵯峨野線)のC編成と湖西線・草津線用のL編成で運用が分けられたが、運用の都合でC編成がL編成の運用に入ることがあった。 1997年には湖西線・草津線の運用増加のため福知山の800番台4両編成1本が転入し、高速化改造車5800番台となり、L18編成として運用された。 2008年に網干総合車両所の221系の一部が京都総合運転所へ転属し、嵯峨野線・湖西線で運用を開始した。余剰となった113系は広島運転所への転属や岡山電車区への貸出など、車両の動きが続いた。広島・岡山地区転用車は高速化が順次解除され、京都総合運転所に残存したL編成も2011年までに電気連結器の設置が行われている。 5700番台トップナンバーで構成されるL02編成は、先頭車のクハ111-5701・5751がATS-P未設置のまま2010年1月29日付で廃車となった。中間電動車のモハ113・112-5701はL07編成へ転用され、30N体質改善車のクハ111-7705・7755と組成された。従来のL07編成の電動車モハ113・112-7019は日根野電車区へ転属している。 忍者のゆかりの地を走る草津線の沿線活性化のため、2017年より113系の1編成(吹田総合車両所京都支所L6編成、クハ111-7704ほか4両編成)が忍者ラッピング列車「SHINOBI-TRAIN」となり、2017年2月25日より運転を開始した。貴生川駅で草津線と接続する信楽高原鐵道でもSKR310形の2両を使用した「SHINOBI-TRAIN」が113系と同日に運転を開始している。2019年11月10日には、113系の「SHINOBI-TRAIN」による団体臨時列車が大阪駅 - 貴生川駅間で運転された。 2022年4月1日現在、700番台と2700番台に高速化改造を施工した5700・7700番台による64両(4両編成でC編成20両、L編成44両)が吹田総合車両所京都支所に所属する。そのうち、C08・C10・L03・L07・L09・L15編成はモハ112形に集電装置を2基搭載している。体質改善車で組成された編成も多いが、先頭車両のみもしくは中間車両のみを改造した編成も在籍する。
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