温室効果ガスの吸収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 04:31 UTC 版)
「ブルーカーボン」の記事における「温室効果ガスの吸収」の解説
@media all and (max-width:720px){body.skin-minerva .mw-parser-output div.mw-graph{min-width:auto!important;max-width:100%;overflow-x:auto;overflow-y:visible}}.mw-parser-output .mw-graph-img{width:inherit;height:inherit} 大気と海洋の間では温室効果ガスの交換が行われており、人間活動で大気中に放出された二酸化炭素の約 30% を海洋が吸収する。ただし、メタン(CH4)と一酸化二窒素( N2O)は自然を起源とし、ハロカーボン類(英語版)は成層圏に移行する。大気中に排出された二酸化炭素の地球温暖化への寄与の割合は約 56% である(IPCC、2013年)。二酸化炭素の吸収についての研究は、グリーンカーボンに関連するものが主であったことなどから、ブルーカーボンに関連する研究は遅れており、河口や内湾は市街地からの生活排水や枯れ葉などが流れ込むことによって、有機物などの栄養分をプランクトンが分解するため、二酸化炭素の排出源であると考えられていたことがあった。下水処理では、二酸化炭素を発生させる炭素を除くことよりも、多くの生物が利用しやすい分子構造の窒素化合物やリンを除く方が困難であり、この栄養分が海洋注の植物プランクトンや植物を成長させることにより、大気中の二酸化炭素が吸収されることに繋がり、アマモ場は1年間に約20 - 35t / haの炭素を貯留している。 陸域及び海域の炭素貯留量干潟(裸地) 19.1 - 24.9 tC/ha 藻場 20.9 - 35.0 tC/ha 草原 53.2 - 112 tC/ha 森林 78 - 310 tC/ha しかし、窒素やリンは植物プランクトンの異常発生である赤潮に繋がることもあり、ブルーカーボンについての研究成果は反映させるのが難しい。2016年11月に発効されたパリ協定から1年後の2017年11月においては、ブルーカーボンは一部の国での活用段階となり、2018年時点ではオーストラリアや中国が先行している。UNEPは、二酸化炭素を吸収する重要な場所として淡水と海水が混ざる汽水域にあるマングローブ林や塩性湿地、藻場を挙げている。つまり、CCSの機能を海洋生態系に求めている。また、東京湾の大半では生物活動によって消費された二酸化炭素量が、有機物の分解によって生成された二酸化炭素量を上回り、二酸化炭素の吸収域になっている。海藻の中では、コンブの二酸化炭素吸収量が特に優れているとされる。また、海藻や海草、植物プランクトンなどを取り込んだ海洋生物は死亡すると一部は分解され、二酸化炭素に戻るが、その他の部分は分解されずに海底の堆積物中に固定される。さらに、死亡した生物に貝殻がある場合には、貝殻の主成分が炭酸カルシウム(CaCO3)であるために、死亡後も長期に亘って堆積物中に固定される。
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