森林土壌の温室効果ガス吸収効果

温室効果ガスの吸収源でもある森林資源。日本は国土の3分の2を森林が占めるため、その吸収効果に対する期待は高い。その森林土壌の温室効果ガス吸収効果について森林総合研究所が分析結果を明らかにしました。
調査によると、日本の森林土壌の単位面積当たりのメタン吸収量は欧米に比べて倍以上高く、亜酸化窒素の放出量は半分以下だったことが分かりました。日本は火山灰由来土壌が広く分布しているので温室効果ガスの吸収効果が高いとしています。
メタンや亜酸化窒素は、二酸化炭素の放出に次いで地球温暖化に影響を及ぼす温室効果ガスで、京都議定書での削減対象ガスにもなっています。今回の調査は国内26カ所の森林土壌でメタン吸収量と亜酸化窒素放出量を測定しました。その結果、国内の森林土壌は1ヘクタール当たり6.9キログラムのメタンを吸収し、0.2キログラムの亜酸化窒素を放出することが推定されました。
これらの推定値をCO2量に換算するとメタン吸収量は347万CO2トン、亜酸化窒素放出量は159万CO2トンとなり、差し引き188万CO2トンの吸収量となります。単位面積当たりの吸収量は欧米の倍以上で、放出量は半分以下であり、日本の森林土壌は温室効果ガス吸収効果が非常に高いことが分かります。その理由は、火山灰由来土壌のためと考えられます。
火山灰土壌は多孔質であるため、吸収量と放出量に差があると見られ、森林総合研究所では今後、その吸収メカニズムを解明していくとしています。
※表は、森林総合研究所のプレスリリース「日本の森林土壌は欧米よりも地球温暖化緩和機能が高い」(07年12月20日)より
(掲載日:2008/01/16)
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