機械の日
中暦(月遅れ)の七夕のこの日を日本機械学会が06年に「機械の日」に制定しました。また7日を最終日とする8月1日からの1週間を「機械週間」(メカウイーク)と位置づけ、機械関連の諸団体がさまざまなイベントを展開しています。
人類は機械の発達によって豊かな文明を築き上げました。現在も私たちの周辺には機械技術がかかわっているモノがたくさんあります。機械は電子、情報やバイオ、ナノなどの技術を取り入れて変わりつつありますが、人々の生活を支える形あるモノをつくり出す中核は機械であることに変わりはありません。
ところが近年、機械の進化が著しくなるにつれ、日常生活から見えにくくなっています。そのためもあって、将来の機械技術、機械産業の担い手である小・中学生の理科離れ、大学の理工系離れが深刻です。大学で機械工学の基礎学力養成がなおざりにされるようなことがあっては日本のモノづくりの将来が危ぶまれます。
一方で、技術者は国民の生活を豊かにしようと一生懸命にがんばったわけですが、結果として環境問題などを生み出しました。これからは専門家が技術を押し付ける時代ではなく、市民と同じ視線で考える時代を迎えています。こうした議論を踏まえ、同学会は機械技術・産業の専門家集団と社会との距離を縮めようと考えました。その考え方を同学会が発信し、これに機械関連の業界団体などが呼応して、機械の日・機械週間が誕生することになりました。
8月7日は中暦の七夕です。七夕は技巧上達を祈念する中国の乞巧奠(きっこうでん)に由来し、奈良時代にわが国に伝来しました。この日に、神にささげる御衣を棚機という織機で織り上げたことから「たなばた」になったとされています。この故事にちなみ、8月7日を機械の日に決めたわけです。でも「理科離れといわれる子供たちにモノづくりの楽しさを知ってもらいたい」という願いから、夏休み中を選んだというのも8月に決めた理由のようです。
今年も「ロボットを組み立てパソコンで操縦しよう」(甲府市・山梨大学)、「小学生親子と中高校生のためのハイテクイベント~もうすぐ完成する宇宙ステーション~君はどこまで知っているか」(名古屋市・産業技術記念館)、「小中学生のためのものづくり教室」(宇都宮市・栃木県子供総合科学館)など、親子で参加できる催しが各地で開かれます。また工場見学会や大学のオープンキャンパスなども予定されています。
(掲載日:2008/07/18)
- 機械の日のページへのリンク