吸収メカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 13:37 UTC 版)
ハプトコリンや内因子は、以下に述べるビタミンB12吸収メカニズムの一端を担っている。 ハプトコリンは、唾液腺から分泌され、Rタンパク質とも呼ばれている。 食事中のビタミンB12は、タンパク質と結び付いており、胃のペプシンがタンパク質を分解しビタミンB12が遊離される。 胃の中で遊離したビタミンB12はハプトコリンと強く結び付き、安定化し、胃内の強酸性下でのビタミンB12の分解を防いでいる。 ビタミンB12とハプトコリンの結合体は、胃から十二指腸に移動し、ハプトコリンが膵液によって消化され、ビタミンB12が遊離し、胃で分泌された内因子と結び付く。 このビタミンB12と内因子との結合体は回腸終端部の柔毛から腸上皮細胞に吸収される。 正常な胃の機能を有した(萎縮性胃炎などにより内因子の分泌障害のない)健康な成人での食事中のビタミンB12の吸収率は50%程度であると言われている。ビタミンB12は内因子と結び付かないと腸から効果的に吸収されないため、内因子の分泌量が制約要因となり食事当たり2μg 程度でビタミンB12の吸収が飽和する。このため、過剰のビタミンB12を摂取しても生理的には吸収されない。胃から分泌された内因子と結合して回腸から吸収されたビタミンB12は、輸送タンパク質であるトランスコバラミンと結合して血液中を運搬され、主に肝臓に貯蔵されることとなる。平均排泄量2. 5 μg/日のビタミンB12化合物が胆汁中に排泄され、胆汁中に排泄されるビタミンB12の半数は内因子と結びついて腸肝循環により再吸収され、残りは糞便へ排泄される。
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