温室効果ガスの排出と大気中の濃度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 09:30 UTC 版)
「地球温暖化の原因」の記事における「温室効果ガスの排出と大気中の濃度」の解説
化石燃料の燃焼、セメント製造時の石灰石(およびドロマイト等)の焼成プロセス、土地利用の変化などによって、毎年約73億トン(2004年、炭素換算ベース。2000年、オークリッジ国立研究所による二酸化炭素換算の推計では230億トン。)の二酸化炭素が人為的に地球の大気中に排出されている。炭素循環全体を見ると、毎年約2,100億トンの二酸化炭素が自然界から排出され、約2,138億トンの二酸化炭素が自然界に吸収されている。この差分が人為的な排出の吸収分で、人為的な排出量のおよそ半分(35億トン)程度の二酸化炭素が、毎年大気中に増えていると考えられている。 大気中の濃度は、1750年の産業革命が始まってから、二酸化炭素は31%、メタンは149%分増加(2001年、WDCGGによる)している。これは、氷床コアから得られた信頼できるデータが得られている過去65万年の間のどの時期よりも高い。二酸化炭素がこれよりも高い値を示すのは、間接的なデータであるが4千万年前までさかのぼるとされている。二酸化炭素濃度を最も長期にわたって実際に計測しているのは、マウナ・ロアの観測からであり、1958年に始まった。マウナ・ロアのデータでは年間平均値は315ppmから単調的に増加し(キーリングのカーブ)、2015年には濃度は400ppmに到達したが、南極でもほぼ同様の変化を見せている。 火山など自然要因の増加も考えられるが、IPCC第4次評価報告書ではその影響量は人為的なものに比べて少ないとされている。これに対して異論を唱える者もいるが、学術的に広く認められてはいない(#懐疑論・異論の節を参照)。
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