波川中学校の関係者と家族たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 01:36 UTC 版)
「はだしのゲンの登場人物」の記事における「波川中学校の関係者と家族たち」の解説
太田(おおた)教諭 ゲンの中学の時の担任で、数学担当。他の教師のように体罰を加えず、労を惜しまぬ熱心な教え方からゲンを始めとした生徒達に慕われていたが、戦争反対派でデモにも参加しており、警察予備隊の設立に反対を唱えていたためにレッドパージで公職追放され、学校を去ることになる。自身を慕い自分の下宿に集まった生徒達を学校に戻るよう促し、今後も反戦を広めていくことを約束する。一度は薬物を注射しようとしたところをゲンに見つけられ、ゲンに一喝されてから注射器を叩き割り、思い留まる。その後、私塾を開いた際は偶然ゲンに再会し、卒業式に出席する彼を激励した。 相原 勝男(あいはら かつお) ゲンの中学の同級生で、原爆で家族を失った。戦争を肯定する主張をしてゲンと対立したが、それは原爆症の発症で医者から余命の宣告を受けており、生きることに対する虚無感を抱いたためで、本心では戦争を憎んでいた。投球のコントロールがよく球威もあり、それを活かしヤクザ(街宣右翼)を懲らしめたこともあるが、そのヤクザに後頭部を殴られて医者に「今夜がヤマ」と言われるほどの大怪我を負った。その後、自宅の近くでゲンや隆太とキャッチボールをするまで快復し、「お前はプロ野球の大投手になれる」とゲンから励まされ、生きる勇気を持つ。 相原 トミ(あいはら - ) 相原の義母。相原とは焼け跡で出会い、相原に「死んだ自分の母親に似てるから一緒にいたい」と言われて生きる勇気を持ち、自身も同年代の息子を失ったこともあって一緒に暮らし始めた。しかし、相原が自ら死ぬことを願うようになると、彼を説得してはいたものの、「あの子は死なせた方がいいのよ」と諦観した。 横道 徹(よこみち とおる) ゲンの中学の同級生。学校で問題を起こして少年院送りにされたため、ゲンとは面識が薄い。中学3年生になって釈放され、校長や他の教師達に少年院に入れられたのを怨み、卒業式では戦争や天皇制を嫌悪するゲンに同調した。卒業式後は校長や他の教師達を呼び出して仲間と共に集団リンチするが、集団でのリンチ行為を嫌うゲンから制裁のパンチを喰らう。 波川中学校の校長 ゲンが通っていた中学の校長。共産主義を忌み嫌い、レッドパージの対象とされた太田教諭を共産主義者と決め付け、授業をボイコットして彼の自宅に集まった生徒達を連れ戻そうとする。卒業式終了後は他の教諭達共々横道達にリンチを受け、皮肉にも卒業式で国歌斉唱を阻止して卒業式を台無しにしたゲンに助けられる。その後、ゲンに礼を述べるが「心の底から子供が好きな人以外は教師になるな」などとゲンに一喝された。 平岡(ひらおか) 英語担当で、校長と共に登場することが多い。平手打ちでの体罰をし、それを愛の鞭という単語で正当化していたため、生徒から嫌われている。卒業式終了後は校長や教師ら同様に横道グループから報復リンチされる。ゲンに救出されるが他の教師共々体罰行為などを叱責された。 片山(かたやま) 職業科担当。ソロバンの上で正座させるという体罰をするため、嫌われている。卒業式終了後は校長や平岡ら同様に横道グループから報復リンチされる。 久保川(くぼかわ) 体育担当で、敗残兵。裸で冬の運動場走りという体罰をするため、嫌われている。卒業式終了後、校長や平岡ら同様に横道グループから報復リンチされる。 広川(ひろかわ) 国語担当の女性教諭。教員室みせしめ立ちという体罰をするため、上述の教師ら同様に嫌われている。卒業式終了後は校長や平岡ら同様に横道グループから報復リンチされる。 大袋 大二(おおぶくろ だいじ) 卒業式に参列した父兄で、県会議員である尊皇家。卒業式の際に国歌斉唱で君が代を歌うことに反対したゲンが卒業式を滅茶苦茶にしたとして、校長に抗議して、ゲンに天皇を侮辱されたことに憤りを露にした。しかし、同じ父兄である義眼の男性に反論された。3日も寝ずに卒業式に関係ない天皇を崇めたてる祝辞を考えて卒業生に言おうとしようとした。そのためゲンに怒りを露わにしていた。 義眼の男性 卒業式に参列した父兄。天皇の戦争責任に言及したゲンの考えに理解を示している。過去に徴兵されて軍隊生活で上官に馬の手入れの悪さにより馬の排泄物まみれにされ、棒で何度も殴られたことで左目を失明し、このような苦い経験を語る際に周囲の前でその義眼を外している。敗戦により軍隊がなくなったので日本は戦争で負けてよかったと述べている。
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