沖縄県内の世論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 05:23 UTC 版)
「普天間基地移設問題」の記事における「沖縄県内の世論」の解説
普天間基地機能の沖縄県内移設案について沖縄県内では、沖縄県知事・名護市長が2010年1月の名護市長選挙にて移設容認派が推す候補が当選したものの移設反対派の声は根強かった。しかし、鳩山由紀夫内閣が県外移設を断念し内閣総辞職して以降、一連の尖閣諸島中国船領海侵犯事件ないし尖閣諸島中国漁船衝突事件の発生もあり、移設反対派の翁長雄志が当選して以降も石垣市等では移設容認派の動きが続いており、2016年の宜野湾市の市長選では、普天間基地移設を推進する第2次安倍政権が推す佐喜真淳市長が当選した。 沖縄県内移設に賛成する意見として、沖縄本島内では、建設工事が行われることになった場合に地元の中小建設事業者としては多くの工事の受注が期待できること、県知事および市長の受け入れ表明に呼応する形での経済振興策がすでに多数実行されている(九州沖縄サミットの開催、沖縄科学技術大学院大学の設置、国立沖縄工業高等専門学校の設置など)ことなど、経済的便益をもとにする意見がある。また、アジア地域で紛争が現実に発生しているかまたは発生が予想される各地点につき、距離などの点での地政学的において沖縄県の優位性を指摘する意見もある。沖縄本島以外では、日本の漁船が尖閣諸島周辺の日本領海へ侵入した中国公船から追尾を受け、石垣市でも漁業者が漁が行えない状況にあり、石垣島への自衛隊誘致と合わせ、先述の通り辺野古移設を支持する動きがある。 軍事的観点以外からの反対意見として度重なる海兵隊員及び関係者による事件とその後処理に対する不信・不安が大きい。また、辺野古海域を埋め立て自然破壊をすることで絶滅危惧種であるジュゴンの生息に大きな影響を与えると言われている。基地建設のための巨額の財政負担も問題として指摘されている。 宜野湾市は、米軍再編に当たって米国側が行った環境アセスメントにつき、沖縄駐在の海兵隊のほとんどすべてがグアム島に移転する想定であると指摘し、従ってそもそも代替施設を日本国内につくる必要がない旨主張している。もっとも、当該アセスメントにかかわらず、日本政府の想定ではグアム移転は既存の米軍再編の枠内に留まるものとしている。ただし、市長の伊波が2009年末に一部閣僚に説明を行った際、外相の岡田は「話を少しうかがったが、根拠がよく分からない」と述べた。防衛相の北沢も同様のスタンスをとり、宜野湾市の説に否定的である。
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