沖縄平和運動センター議長逮捕報道
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「琉球新報」の記事における「沖縄平和運動センター議長逮捕報道」の解説
2015年2月22日、沖縄県名護市辺野古の米海兵隊基地キャンプシュワブゲート前で、普天間基地返還統合のための工事に反対している活動家らが米軍占用施設内に不法に進入し2名が刑事特別法違反容疑で逮捕され、翌23日に送検、証拠隠滅や逃走の恐れがないと判断され23日夜釈放される事件があった。これについて琉球新報は24日の社説において、逮捕された山城博治(沖縄平和運動センター議長)の主張を取材した上で「(山城は)基地内の境界線を示す黄色い線に立っていただけだ」とし、「県民大会を前にした抗議行動への弾圧」であると断じ、「刑事特別法を逸脱した人権弾圧」「米軍による人権蹂躙」などと強い言葉で批判した。 2015年3月9日、チャンネル桜沖縄支局キャスターのてどこんボギーは、米軍の監視カメラの動画をYoutubeに投稿した。動画には、マイクを持った山城が黄色の境界線を越えて基地警備員を挑発し、侵入行為に対して警備員が駆け寄ったところで活動家らとの小競り合いが始まり、警備員に拘束されそうになった山城が一旦仲間によって助けられ引き戻されるという場面が何度か繰り返され、最終的にひきずられて拘束される様子が記録されている。さらに動画には新聞記者とみられる腕章とスチルカメラを持った男性が2名写っており、もみあいの際にはこの2名も境界線を越えているのが確認できる。現場周辺は活動家らがテントを建てるなどして路上を占拠した上、工事関係車両出入りの通行妨害騒動や警察との小競り合いが頻発する状況で、琉球新報記者が常駐して活動家目線で頻繁にツイッター配信していた。チャンネル桜は、記者が現場にいながら、目撃者や米軍側の主張を掲載せずに事実と全く異なる内容を断定的に記事にした事が動画流出によって初めて明らかとなった本件は、報道機関としての社会的責任への背反である恣意的報道(民意誘導・言論統制)が改めて疑われる深刻な事案であると批判した。一方で、この動画公開について琉球新報は、非公式なルートで不適切に公表されたとする米軍の管理体制を問題視する記事を掲載した。その後、動画流出に関わった米軍幹部は処分を受けた。 これら一連の報道に対し、琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会は、琉球新報と沖縄タイムスに、「報道被害はとっくに社会の受忍限度を超えている」とし、理由説明を求める2016年2月23日付の公開質問状を送っている。同団体運営代表委員の我那覇真子は、「だれが見ても逮捕されて当たり前」にもかかわらず、琉球新報、沖縄タイムスは「不当逮捕だとキャンペーンを打ち」、その後「不法侵入の様子を撮影した動画が(ネットなどで)公開されると、「動画が流出したことはけしからん」と問題をずらして批判」したと批判している。
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