民主党支配の議会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 15:09 UTC 版)
「アメリカ合衆国の歴史 (1991-現在)」の記事における「民主党支配の議会」の解説
民主党は2006年選挙で勝利を収め、ナンシー・ペロシを女性初の下院議長に選出した。この選挙では女性と少数民族出身議員の数でも記録破りとなった。民主党は選挙で勝利したときに、議会で権力を取ったときの政策提案100時間計画を起草した。この計画の主要課題としては赤字を減らすための従量制計画、9.11委員会推薦の法制化、連邦最低賃金を時間あたり7.25ドルに増額すること、メディケア患者に対する薬価値下げ交渉を薬品会社と直接行う権限を政府に与えること、アメリカのエネルギー独立性を改善するために大規模石油会社に対する租税補助金を止めることが含まれていた。100時間計画の後、9.11委員会推薦は議会で実行されなかった。 第110議会は、ブッシュ大統領の軍隊増派提案に対して拘束力の無い決議を行った以外、イラク戦争について何かを変えるようなことはほとんどしなかった。さらに下院はアメリカ軍の段階的撤退を条件に1,240億ドルの緊急予算を承認した。ブッシュは派遣軍の縮小を提案していることを理由にこの法案に拒否権を使った。これはブッシュが発動した2度目の拒否権となった。 2007年5月から7月にかけて、エドワード・ケネディやその他の上院議員が共同発案者となって、上院法案1348号と修正法案1639号を提案した。この法案の目的は恩赦と市民権をもたらすために移民法の改革を要求することだった。6月7日、上院多数党院内総務ハリー・リードはこの法案を審議案件から外した。6月14日、ブッシュ大統領はこの法案の支持者となり、上院で審議するよう差し戻した。6月26日、上院は64対35の票決で討論終結を決めた。6月27日、27の修正案が議論され、そのうち5つのみが上院法案1639号に組み入れられた。6月28日、討論終結投票で議論を終わらせることが確認された。結果は53対45で討論終結を否決し、2007年移民法議論は終わった。 上院において少数派共和党による議事妨害の恐れがあり、110議会の1年目だけで72回の討論終結投票が行われた。これは通常の2年会期ではこれまでの68回を破る記録となった。上院少数党による妨害で法案を成立させられないために、何もできない議会の様相を呈し、議会の支持率は著しく降下した。2007年後半、幾つかの世論調査では議会に対する支持率が18%にまで下がっていた。2008年1月、議会の支持率は20%台半ばだった。2008年の選挙では多数派民主党が両院で勢力を伸ばした。
※この「民主党支配の議会」の解説は、「アメリカ合衆国の歴史 (1991-現在)」の解説の一部です。
「民主党支配の議会」を含む「アメリカ合衆国の歴史 (1991-現在)」の記事については、「アメリカ合衆国の歴史 (1991-現在)」の概要を参照ください。
- 民主党支配の議会のページへのリンク