殺し屋
『豚と軍艦』(今村昌平) 1960年頃。吐血したヤクザが「胃癌だ」と思い込み、絶望して鉄道自殺をはかるが死にきれず、知り合いの殺し屋に「お前の好きな時に、不意打ちで俺を殺してくれ」と頼む。ところがその直後に、ヤクザの病気は胃潰瘍で、安静にしていれば治ることがわかる。ヤクザは今度は殺し屋におびえ、逃げ回らねばならなくなる〔*映画中の1挿話なので、そこまでで話は終わっている〕。
『ボディガード』(ジャクソン) ニッキーは、大スターとなった妹レイチェルに嫉妬し、バーで出会った男にレイチェル殺しを依頼する。後、ニッキーはそのことを後悔するが、男の名前も知らず連絡方法もない。レイチェルをねらって侵入して来た男に、ニッキーは「もうやめて」と言うが、その場で射殺されてしまう〔*アカデミー賞の授賞会場で、男はレイチェルを銃撃する。しかしボディガードのフランクがレイチェルをかばって銃弾を受け、重傷を負いながらも男を射殺した〕。
★2.殺し屋に追われる人。
『殺人者』(ヘミングウェイ) 午後5時、2人組の殺し屋が簡易食堂へやって来る。彼らは、毎晩ここへ食事に来るアンドルソンという男を殺すつもりだった。しかし7時になってもアンドルソンが来ないので、殺し屋たちは引き上げる。食堂の従業員が、近所の下宿屋に住むアンドルソンに、殺し屋のことを知らせる。アンドルソンは1日中部屋にこもっていたが、すでに死を覚悟しており、「もうしばらくしたら、外へ出て行く決心がつくだろう」と言った。
『ビッグ・ガン』(テッサリ) 殺し屋トニーは、小学校へ入ったばかりの1人息子の将来を思い、「足を洗いたい」と組織のボスに言う。組織の幹部たちは、「トニーをこのまま生かしておくわけにはいかない」と結論し、彼の車に爆弾を仕掛ける。その日トニーは車に乗らず、代わりに愛妻と1人息子が爆死した。怒りに燃えたトニーは、組織の幹部や手下たちを次々に殺す。しかし最後には、組織側に寝返った友人によって、トニーは射殺される。
『中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃』(三島由紀夫) 殺人ということが、「私」の成長であり発見だ。殺人者は造物主の裏。その偉大と歓喜と憂鬱は共通である。室町幕府25代将軍足利義鳥を殺害。北の方瓏子(れいこ)を殺害。乞食(こつじき)126人を殺害。能若衆花若も、遊女紫野も、肺癆人も殺した。殺人者は理解されぬとき死ぬものだと伝えられる。使命も意識も、殺人者にとっては弱点なのだ。
『アントニオ・ダス・モルテス』(ローシャ) 20世紀後半。ブラジルの貧しい山村。カルト教団を弾圧すべく、警察署長が、殺し屋アントニオ・ダス・モルテスを呼ぶ。アントニオは、カルト教団のリーダーと剣で決闘して重傷を負わせ、リーダーはやがて死ぬ。しかし、村を支配する地主たちの腐敗ぶりを見て、アントニオは、「倒すべき相手を間違えたのではないか」と思う。地主に雇われた悪党集団が、教団の信者たちを銃撃して、大勢を虐殺する。今こそ、真の敵が誰なのか知ったアントニオは、銃を連射して悪党どもをなぎ倒し、教団の生き残りが、槍で地主を突き殺す。
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