欧州の留学での関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 00:42 UTC 版)
ボーフォール公爵 摩利の父親と公私ともに親しい間柄で、妻と娘2人がいるものの、同性愛者で摩利が13歳のころから摩利を愛するようになり、彼に同性愛の手ほどきもする人物。夢殿と違うところは、夢殿ほど摩利だけに執着しない。貫禄のある紳士で、性格も大変豪快で鷹揚で何事にも動じない。 ウルリーケ 摩利の従姉(いとこ)で、摩利の祖父メーリンク子爵の孫娘。「春風」と呼ばれていた、しとやかなマレーネと対照的に「つむじ風」と呼ばれる活発な女性。結ばれずに終わった初恋の相手が黒髪の男だったことも関係してか、黒髪でまっすぐな性格の新吾を気に入り何かと情事を持ちかけるが、ただあくまでも遊びで、本当はシュテファンと相思相愛だった。シュテファンが兵役に行く前にプロポーズされ「生きて戻ってきたら一緒なってもいい」といい、彼が生きて戻ってくると、結婚して落ち着く。 金髪で色っぽい美人で、性格は自由奔放で、男性遍歴が激しいが、亡くなった元夫や、初恋の男性を思っていた一途なところもある。 シュテファン ウルリーケの戦争で亡くなった夫の弟で、未亡人になって、奔放に男性と遊ぶウルリーケに何かと苦言をするが、本当は彼女を愛しており、戦争で兵役に行く前にプロポーズをする。やがて片足を失って戻るが、それでもウルリーケに了承をもらい結婚する。ウルリーケだけでなく、新吾や摩利にもやたら憎まれ口をたたくが、本当は善人である。 メーリンク子爵 摩利の祖父で、娘である摩利の母マレーネを溺愛しており、娘が結婚して日本に行き病気で亡くなったことで、摩利の父思音を憎んでいる。摩利にも冷たく、子供の頃嫌がらせをしたことがある。 その後摩利が彼に会いに行き、実は彼がマレーネ同様、自分を置いてどこかに行ってしまうのではという猜疑心から冷たい態度を取っていることがわかる。本心を打ち明けた後は摩利と和解する。 メーリンク子爵夫人 摩利の祖母で、子爵と違い摩利には最初から優しいが、父親の思音には「マレーネが亡くなったのは貴方のせい」と責め良い感情を持ってはいないが、後に改心していく。新吾は、摩利が祖父から辛い仕打ちを受けたことのみならず、子爵夫人が思音に冷たいという話を聞いたせいで、「そんな親類は捨ててしまえ」と憤る。 ドリナ 新吾の初恋の女性で「サロナエのドリナ」と呼ばれる、セルビア独立運動グループの女神的存在。危険を察知する能力があり、それで独立運動者の手助けをしている。 新吾と偶然道で出会い、一目で二人とも相思相愛になる。それまで摩利との恋に答えようとして一二三や姫花の誘いを拒絶していた新吾が、ドリナと出会い、彼女の容姿だけでなく祖国を思う心に打たれ、同性愛者ではないことを自覚させることのできた、新吾にとって最も影響を与えた女性。後にセルビアに帰ることになり、新吾に一緒に来るように言うが、新吾は「摩利の声が聞こえた」といって拒否。結局は新吾が摩利と親友でいることと医師の道を選ぶことで破局する。のちにグループの一員のペタルと結婚する。 容姿はウエーブのかかった黒髪で、スタイルが良く、顔もかなりの美人。性格は新吾を思う優しさと戦争を憎む激しさを持ちあわせている。 第二次大戦後、学制改革による持堂院閉校の式典を、既に亡くなっていたドリナの代わりに娘と孫娘が覗きにくる場面があるが、「おばあちゃんの好きだった人は私そっくりだったらしい」と娘に当たる女性が言うことから、別れた時点で新吾の子を身籠っていた可能性をにおわせている。
※この「欧州の留学での関係者」の解説は、「摩利と新吾」の解説の一部です。
「欧州の留学での関係者」を含む「摩利と新吾」の記事については、「摩利と新吾」の概要を参照ください。
- 欧州の留学での関係者のページへのリンク