検察審査会関連の発言
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2005年に日歯連闇献金事件で東京地方検察庁が自民党の村岡兼造を起訴する一方、直接献金を受け取ったとされる橋本龍太郎などを不起訴としたのは不公平であり、「1億円という大金を一会計責任者の権限でできるわけはない」として検察審査会に対し審査を申し立てた。これを受けて検察審査会が「不起訴不当」議決したことについて辻は国会で「国民の常識に沿った極めて妥当な議決」「不起訴処分にしたのはおかしいじゃないかという声が満ち満ちている」「普通、政治家であれば、重く受けとめますというのが当然の結論」と発言した。 2010年4月に陸山会事件について検察が不起訴とした民主党幹事長小沢一郎について検察審査会が「起訴相当」議決した後に発足した「司法のあり方を検証・提言する議員連盟」事務局長に就任した。辻は「たまたま議決のタイミングと重なっただけで審査会への圧力ではないし、議論を深めることが悪いとは思わない」と説明した。検察審査会制度について「国民の感情で簡単に被告席につけてしまっていいのか」とコメントし、ブログでは小沢氏への起訴相当議決について「魔女狩り的手法で葬り去ろうとするもの」と批判した。 こうした検察審査会に対する言動の変化について、『読売新聞』は社説にて、「制度の是非を論じること自体に問題はないが、自らの政党に不利な議決が出た時だけ批判するのは政治的な御都合主義である。」と批判している。辻は「検察をチェックする機関としての審査会の意義は認めるが、強制起訴の仕組みは不当。私は改正法には問題があると考え、採決時の本会議は欠席していた」と述べた。 2010年5月26日、辻と秘書は第一から第六まで6つある東京検察審査会の対外窓口になっている東京第一検察審査会事務局に対して電話をし、審査対象の陸山会事件や小沢一郎については言及せずに「東京第一検察審査会及び東京第五検察審査会の各事務局長から、審査補助員の選任方法や標準的な審査期間について聞きたい」として衆院議員会館の事務所に来るよう要請した。検察審査会は応じなかったが、政権与党の幹部が、政治的な中立が要求される検察審査会側に接触を図るのは異例でその目的や真意などが議論を呼ぶとされた。5月27日の読売新聞の取材に対して辻は「事実とは違う」と述べていたが、5月31日「事務局に電話することで、審理に影響があるはずがない。(電話を入れたことが)漏れることが問題だ」と述べた。また法務省や最高裁に問い合わせればよかったのではとの問いには「法務省、最高裁には十分聞いているが、具体的な運用の実態についてはわからないということだった」と答えた。一方で、すでに起訴議決されてリーディングケースになっていた明石花火大会歩道橋事故やJR福知山線脱線事故について神戸の検察審査会に問い合わせたのかについて問われると「もう既に起訴されている事案で裁判所の案件になっているから、していない」と述べている。 『産経新聞』は「検審への説明要求 圧力以外の何物でもない」と題した6月1日の社説で、「『圧力とは違う』という言い訳は通らない。審査会の独立性、中立性を侵害する行為であり、断じて認められない」と主張した。一方、ジャーナリストの魚住昭は「政治家が役所に問い合わせることは政治圧力になる場合がある。しかし、(検察審査会の)審査員は抽選で選ばれる一般人であって、事務局から独立している。政治家が事務局に何か言ったとしても、審査員には届かない」として問題視されていることに疑問を呈している。
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