東海交通事業城北線とは? わかりやすく解説

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東海交通事業城北線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/03 01:59 UTC 版)

城北線(じょうほくせん)は、愛知県春日井市勝川駅から愛知県清須市枇杷島駅に至る、東海旅客鉄道(JR東海)が保有し東海交通事業が運営している鉄道路線である。


注釈

  1. ^ a b c 城北線の高架橋は将来的な電化を想定し、架線柱を設置するための土台(高架橋から突き出た突起部分)が設置されている[34]
  2. ^ 名古屋市は瀬戸線(城北線)の小田井駅と上小田井駅(名鉄犬山線・地下鉄鶴舞線)を直結し、市北西部の玄関口とする「小田井総合駅」を1992年度(平成4年度)までに整備することを検討していた[8]。これは、小田井駅⇔上小田井駅間(約300 m)の間を高架建築物で連絡し、ターミナル機能を充実させることで、金山総合駅と並ぶターミナル駅として機能させる構想だったが、1987年(昭和62年)ごろから2年間にわたり瀬戸線(城北線)の工事が中断されていたことから、総合駅整備計画も中断していた[9]。その後、1989年12月に瀬戸線(城北線)の建設再開が決まったことから、名古屋市は「これで小田井総合駅の整備計画具体化にはずみがつく」と期待していた[8]が、小田井駅⇔上小田井駅の高架建築物による連絡は2020年時点でも実現していない。
  3. ^ 城北線のホームが存在する稲沢線の複線は、連動装置の関係上、名古屋駅で直接出入りできる線路が臨港本線(8番線と10番線の間にある9番線に相当するホームのない線路)又は西名古屋港線(あおなみ線)にほぼ限られるため[14]、JRの旅客ホームに発着させるためには連動装置の改修が必要となる。
  4. ^ また同年、後に愛知環状鉄道線の一部として開業することとなった瀬戸線の瀬戸(瀬戸市駅) - 高蔵寺間も着工された。
  5. ^ 瀬戸(現:瀬戸市駅)で瀬戸線と接続する岡多線のうち岡崎 - 瀬戸間(後に瀬戸線の瀬戸 - 高蔵寺間と併せて愛知環状鉄道線として開業)も瀬戸線と同じく「甲線」(複線・電化)で計画されていた一方、瀬戸市駅で瀬戸線と別れる岡多線(多治見方面)は線路等級の低い「丙線」(単線非電化)で計画されていた[35]
  6. ^ 瀬戸線のうち瀬戸 - 高蔵寺間(後に愛知環状鉄道線の一部として開業)は愛知環状鉄道が継承した[1]
  7. ^ 賃借料の額の基準は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令第7条第1項[39]により規定[40]。JR東海は第27期有価証券報告書 (2014) で「賃借料は毎年、財産及び管理費の増減等により若干の変動はありますが、基本的な水準はほぼ変わりません。」と述べている[40]
  8. ^ なお、「国土交通大臣が指定する期間を経過した当該鉄道施設は、当該線区の建設費から既に支払った賃借料総額のうち建設費相当額を差し引いた残額を譲渡価額として譲渡を受けることができる」とされている[40]
  9. ^ 清須市議会議員・横井敏雄は2013年12月12日に同議会で城北線に関する質疑を行った際、名古屋駅・勝川駅への乗り入れの実現を「城北線の全面開業(完全開業)」と位置づけ[43]、利用者数増のためには「全面開業」や電化および高額な運賃(JRの標準運賃の約2倍)の改定が必要である旨を訴えている[44]。この質疑に対し、企画部次長兼企画政策課長・葛谷賢二も「名古屋駅や勝川駅に乗り入れれば、城北線の利用者数は大幅に増加することが考えられる」という見解を表明している[45]
  10. ^ 名古屋市・春日井市および清洲町(現:清須市)など。
  11. ^ 1988年5月にはJR東海の民営化初年度の決算が発表されたが、当初の見込額(98億円)を大幅に上回る607億円の黒字を記録したため、運輸省が返済金の減免を認めることは厳しい情勢となった[36]
  12. ^ その後、稲沢方面の線路用地のうち一部は売却されて住宅が建っている[34]
  13. ^ ただし、城北線の乗り入れ計画は当初から存在し、予算には盛り込まれていた[34]
  14. ^ 中央線の線路と城北線の仮駅がほぼ同じ高度になっているため。

出典

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  61. ^ a b 中部運輸局 2020, p. 6.


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