本作に対する反響
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出版当時の読者層はわずかな60代以上の男性が占めていたが、口コミで次第に広がり2013年以降は特に10代・20代の読者も増加した。累計販売部数は2013年12月時点で約480万部 その後も映画化・ドラマ化の影響で販売を伸ばし、2014年7月時点では530万部に及ぶ。映画のヒットや作品の普及につれ少なからず反響が起こり、政治思想を問わず読者として安倍晋三を始め政界、芸能界、法曹界、スポーツ界の著名人に取り上げられるとともに、その賛否も話題となった。批判としては「特攻を美化している」「戦争賛美」といったものであり、これについて著者である百田尚樹は自身のTwitter等で、「私は『永遠の0』で特攻を断固否定した」「戦争を肯定したことは一度もない」と述べ、テーマは「生きるということ」と「戦争を風化させないこと」と語っている。「『永遠の0』はつくづく可哀想な作品と思う。文学好きからはラノベとバカにされ、軍事オタクからはパクリと言われ、右翼からは軍の上層部批判(井上成美まで悪し様に書いた)を怒られ、左翼からは戦争賛美と非難され、宮崎駿監督からは捏造となじられ、自虐思想の人たちからは、作者がネトウヨ認定される。まさに全方向から集中砲火」とコメントした。 また、映画化以降特に第二次世界大戦に関連した作品が重なったこともあり、戦争の歴史に対する関心が高まった。2013年6月に宇佐海軍航空隊のあった大分県宇佐市に平和資料館が暫定オープンした他、同年12月に作中に登場する茨城県旧筑波海軍航空隊史跡が記念館としてオープンし、4ヵ月で全国から2万6000人が訪れた。福岡県筑前町立大刀洗平和記念館など、特攻隊ゆかりの地や資料館の訪問者も比較的若い世代を中心に大きく増加し、日本海軍の軍人・軍属の人事記録を管理する厚生労働省には、孫など親族から軍人履歴原表の開示を求める申請が増えている。
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