日本生息個体に関する知見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 06:09 UTC 版)
「カササギ」の記事における「日本生息個体に関する知見」の解説
九州の個体群は、朝鮮とは別亜種で中国と同亜種に分類されている。九州の個体群は17世紀に朝鮮半島から現在の佐賀県(佐賀藩)および福岡県筑後地方(柳河藩)に人為移入された個体が起源とされる。なお、『日本書紀』には飛鳥時代に新羅から「鵲」を持ち帰ったという記述がある(#文化参照)。しかし、室町時代以前の文献にみられる観察記録にはカササギと断定出来る記述は無いとされている。 移入時期は豊臣秀吉の朝鮮出兵とする説(後述)もあるが文献記録が無く伝聞の域を出ていない。一方、台風や季節風により本来生息域である大陸から迷行し飛来した自然渡来個体が定着した可能性も否定されていない。しかし江口、久保(1992)は、福岡県玄界灘沿岸生息群と佐賀平野生息個体群の分布調査からは自然渡来の可能性は極めて低いとしている。また、万葉集にカササギの歌が無い事が渡来時期の傍証のひとつとなっている。生息域が極めて狭く珍しい鳥であることから1923年(大正12年)3月7日、その生息地を定めて、カササギ生息地一帯の市町村は国の天然記念物に指定された。1960年代以降電柱への営巣特性を獲得し分布障壁となっていた山地の森林が減少した事などから、1970年代以降急速に生息域が拡大し数が増加した。 1980年代には、北海道の室蘭市や苫小牧市周辺で観察され繁殖している。酪農学園大学らの研究グループが2011年から調査を行い、苫小牧の個体群のDNAはロシア極東のものとほぼ一致したが、韓国のものとは違いが大きいと2015年に報道された。カササギは長距離の飛行が苦手なこともあり、これらの地域に生息する個体群の移入経路は長らく不明であったが、2016年、ロシアから貨物船に乗って来ていた説が提唱されている。
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