日本の銀行のオンラインシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 04:39 UTC 版)
「銀行のオンラインシステム」の記事における「日本の銀行のオンラインシステム」の解説
一般に企業の情報システムは、本来の業務を支援するものと言える。一方銀行のシステムは、システムの機能自体が銀行の商品やサービスを具現化している。また、銀行のシステムが扱うデータは顧客の金融資産のデータであり、そのデータにCDやATMで顧客が直接アクセスする点が特徴である。従って、一般の企業の情報システムに比較して、信頼性や可用性、操作性などの面で一段上のレベルが求められてきた。 日本の銀行システムはアメリカと比較して、リアルタイム指向のシステムとしての発展が早かった。それには、以下のような理由がある。 アメリカでは小切手が主流であり、リアルタイム性はあまり求められなかった。一方、日本では現金が主流であり、リアルタイム性が必須であった。 アメリカの銀行は州境を越えた営業が禁止されていて、市場によって銀行が分かれていたため、銀行の規模があまり大きくなかった。 日本の銀行は競争が制限された規制下でのビジネス展開であったため、金利などで差別化が図れないことから、効率性や信頼性が重要視された。 1959年(昭和34年)、三和銀行(現:三菱UFJ銀行)が真空管を使用したIBM 650を導入したのが、日本初の銀行へのコンピュータ導入である。オンラインシステムと言われる以前は、リアルタイム処理を要求されない事務をバッチ処理していた。 2002年(平成14年)4月には、みずほ銀行の合併によるシステム統合の大規模トラブルが生じた。これにより、国内のメガバンクおよび地銀上中位行では、改めてシステムの重要性を認識し、結果としてシステム部門が他部門と同等の地位に引き上げられているものの、一部の地方銀行では2000年代以降の金融業界を取り巻く法制度の急変により、システム開発・運用部門に負荷が増大し、また、システム部門を根拠なく下位と位置づけて経営計画で勘案せず、営業推進の不振や融資稟議・管理の遅れを「システムが悪いせい」と責任転嫁するなど、いまだに「システム蔑視」の風潮がはびこる銀行もあることから、自営継続を断念し、ベンダーと創始時参加行が主導となる共同システムに参加する銀行も増えている。
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