日本のパーマネントウェーブ技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 06:49 UTC 版)
「パーマネントウエーブ」の記事における「日本のパーマネントウェーブ技術」の解説
日本では、大正の末に、女性の髪形にパーマネントウェーブ技術が取り入れられた。1923年(大正12年)に神戸市で外国人女性相手にパーマネントウェーブ技術が取り入れられたといわれているが、一方で、パーマネントウェーブの機械と薬品が入ったのは、横浜だという説もある。パーマネントウェーブを施す機械の種類には、「クロツキノオル」と「スパイラル」の2種類がある。メイ牛山は、1928年(昭和3年)出版の著書で、家庭でもできて当時多く行われていたウェーブの方法である「マルセルパーマ」などとともに、「パーマネントウェーブ」の方法についても詳しく紹介し、「非常に難しい技術で、米国でも普通の美容師はできない」「失敗すると頭皮を焼いてしまう」「熱くてたまらないことがあるので、扇風機やドライアーを置くべき」とし、自身が米国のサニタリー大学で、パーマネントウェーブを習い、初めて同僚に試した際の失敗談を語っている。雑誌「婦人画報」でも、1930年(昭和5年)に「パーマネントウェーブの仕方」と題して、パーマネントウェーブの様子を写真で紹介している。雑誌「新青年」の、若い読者向けに世界の最新モードを紹介する「ヴォガンヴォグ」(Vogue en Vogue)欄には、これらの機械を使った電気パーマの有効性を宣伝する記事が何度か掲載された。「クロツキノオル」を使う手法を、その時代の最高峰のパーマネント技術として紹介し、所要時間は男性なら1時間半、女性なら3時間、男性が八円女性は十円と高額だが、パーマは5カ月間保つとしている。紙ばさみ状の機械を使う「クロツキノオル」と並ぶもう一つの方法で、筒状の機械を使う「スパイラル」についても詳しく説明している。髪を20本くらいのカーラーに巻き付け、スルウジオンという薬品を浸したパッドを巻き、機械にとりつけ、電気を数分間かけたあと、薬品を使ったセットをして乾かす。セットのためには、美容師の技術が重要で、値段は十数円だとしている。この時代の主流で、熱した棒に髪を巻きつける「マルセルパーマ」よりも、コードの先端についたクリップで髪の毛に巻いたカーラーを挟んで、薬剤も用いる「電気パーマ」を、火傷の危険もなく、美しく洗っても取れないウェーブが得られる方法として薦める記事も掲載されている。メイ牛山が経営する銀座のハリウッド美容室では、「ハリウッドはパーマネントの家元」と銘打って、ユージン社製の機械でパーマネントを行っていた。吉行あぐりが経営する麹町、銀座、岡山の美容室でも、昭和11年に婦人画報にパーマネントの広告を載せている。昭和11年には、男性の髪型にもパーマネントウェーブが取り入れられるようになった。男子用のパーマネントマシンが、一台150円程度で、施術料金は一人2、3円であった。この当時の技術内容は、スパイラルヒーターを使う方法であった。当時のパーマネントウェーブには、皮膚のただれや火傷などのトラブルが発生することがあった。
※この「日本のパーマネントウェーブ技術」の解説は、「パーマネントウエーブ」の解説の一部です。
「日本のパーマネントウェーブ技術」を含む「パーマネントウエーブ」の記事については、「パーマネントウエーブ」の概要を参照ください。
- 日本のパーマネントウェーブ技術のページへのリンク