日本のなれずし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 02:03 UTC 版)
なれずしはタイの北部から中国雲南省にかけての地域に起源を持ち、弥生時代に稲作が中国から伝わったのと同じルートでもたらされたものとされている。平安時代中期に制定された延喜式には、西日本各地の調としてさまざまななれずしが記載されている。アユやフナ、アワビなどが多いが、イノシシ、シカといった獣肉のものも記述されている。従来の見解では、室町時代に発酵期間を数日に短縮し、「漬け床」の飯も食する「生成(ナマナレ)」が始まり、江戸時代になると酢が出回るようになり、発酵によらずに酢飯を使用した寿司が作られ、それが主流となるとされていた。 しかし、「生成(ナマナリ、ナマナレ)の鮨(鮓)」というのは、十分に完成していない鮨(鮓)という意味ではあるが、その種類はフナに限られており、ふなずしの食べ方を指す言葉であると考えられる。飯を共に食することはなく、発酵が不十分であることから、酢に浸けて食べるものである。さらに、室町時代以降に「なれずし」の発酵期間が短縮され、「漬け床」の飯も食用とされたということを史料で確認することもできない。 戦国、織豊時代以降には、新たにドジョウやナマズ、ウナギなど魚の種類が増加し、ナスやミョウガ、それにタケノコなどの野菜類を材料としたものが現れる。 日本各地にはなれずしが郷土料理として残っている。日本海側各地には、アジやニシンなどを使ったなれずしが多い。 滋賀県の鮒寿司、アユやハスやオイカワなど。 和歌山県南部のサンマ、和歌山県北部のサバ。 福井県小浜市のへしこ、勝山市の塩サバ。 岐阜県のアユ。 石川県・富山県には冬の寒さを利用して徐々に熟成させるかぶらとブリを使ったかぶら寿司。 北海道のニシン、サケ。 東北地方のイワナ、ウグイなど。 栃木県宇都宮市今里町の「アユのくされずし」(生なれずし)。 以上のもののほか、米麹を併用するものとして以下のものがある。 北海道・東北の飯寿司。 秋田県のハタハタ寿司。 岐阜県のねずし。 秋田県には、アケビとヤマブドウ。
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