日本における証券化ファイナンスとは? わかりやすく解説

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日本における証券化ファイナンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/02 13:59 UTC 版)

ストラクチャード・ファイナンス」の記事における「日本における証券化ファイナンス」の解説

住宅ローン信託債券は、住宅ローン貸し手信託銀行債権まとめて信託し、その受益権第三者売却することにより、住宅ローン証券化して資金調達を行うための信託で、信託業北条金銭債権信託にあたる。日本住宅ローン対す需要高まった1970年代前半住宅金融専門会社(以下「住専」)の設立や、長期信用銀行が行住宅ローン債権信託同趣旨の制度である住宅抵当証書産み落とした金融制度調査会報告もとづいて信託商品ひとつとして1973年6月創設された。導入当初における住宅ローン債券信託存在意義は、同時期に設立され住専資金調達円滑にするために、信託銀行有する長期資金(特に年金ファンド)をこのセクター流し込むことにあった当初委託者制度住専限られていた。例えば、期間25年程度住宅ローン最初7年については、信託を介して残高一定の第二受益権残余部分第一受益権分け前者年金ファンドはめこんで後者住専保持し7年後には住専第二受益権全額買い戻すという買戻方式認められていた。そしてその後1980年代中頃BIS(国際銀行)の自己資本比率規制導入至って金融機関資産オフバランス化するための手段を充実する目的で、一般貸付債権流動化地方公共団体向け貸付債権流動化合わせて金融機関にも受託ローン流動化解禁すべきだということになり、住宅ローン債権信託金融機関委託者となって設立することが1988年認められた。住宅ローン債権売切方式アメリカMBSCMOと同じであるが、もともと制度改定時に金融機関保有債券流動化のみが年頭におかれたことから、対象としてよいローン金融機関系保証会社保証付債券保険会社保証保険債券いずれかということになっており、このため優先・劣後だとか、一部保証だとかいった、信用補填についての工夫はされていない1992年には、世界的に進行する金融国際化自由化証券化対応するため、銀行証券相互乗り入れ認められる一方証券取引法上の有価証券の定義を広げ証券化商品取り込む努力が行われる。この中で住宅ローン債権信託は、証券取引法上は有価証券として取り扱うことが適当である「みなし有価証券」の代表例として条文にとりこまれた。しかし、住宅ローン債権信託証券化需要がないため、ほとんど日の目をみることないまま、事実上休眠状態にあった受益権有価証券として認められるには、貸し手金融機関または、住宅金融専門会社にならなければならない。ただし、住宅金融専門会社はすでに経営難に陥って、その全資産住宅金融債権管理機構譲渡し解散してしまっているので、事実上、この制度利用できるのは金融機関だけである、もともと信用力もあり、預金保険等の資金調達源を持っている金融機関にとっては、証券化により住宅ローンによる資金調達を行う必要は少ない。ノンバンクのようなところにこそ資金調達必要性が多い。ノンバンク一般に銀行比べる信用力が劣るうえに、歴史的な理由から出資法根拠に、日本ではノンバンク資本市場組みませない体制長らく続いてきた、この結果ノンバンク資金調達大部分は、金融機関からの借り入れ依存せざるを得ず住宅ローンと金機関競合するビジネスでは、ノンバンク限界金融機関の隅に追いやっている。「みなし有価証券」である住宅ローン債権信託受益権証書も、その私法上の性格は他の金銭債券信託異なことはない。一般に信託受益権民法上の指名債権一般的な債券形態)であるとされ、受益権証書はその権利証明する単なる証拠証券にすぎないとされている。この結果受益権譲渡指名債権譲渡方法に従って譲渡人投資家)が債務者受託者)に通知するか、債務者受託者)が承認するかしないと、譲受人新し投資家)は受託者に対して投資家として地位主張できない。これに対して通常の有価証券は、私法上は無記名債券ということになっているのが大半であって証券物理的に引き渡すことによって権利移転する投資家は、物理的な証券というものを唯一のよりどころとして取引行えるので高度の流通性確保されるとされるこういう視点から、受益権証書についても無記名性を付与するような立法なされるべきとう議論なされることがある少なくとも、信託契約の中で何等かの工夫行って無記名性を受益権証書付与する必要がある思われるアメリカでは税法上の理由で、発行され有価証券全て記名式であり、無記名式はあまり存在しないが、日本より流通性がある。

※この「日本における証券化ファイナンス」の解説は、「ストラクチャード・ファイナンス」の解説の一部です。
「日本における証券化ファイナンス」を含む「ストラクチャード・ファイナンス」の記事については、「ストラクチャード・ファイナンス」の概要を参照ください。

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