数式での表現とは? わかりやすく解説

数式での表現

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/28 08:49 UTC 版)

見せかけの回帰」の記事における「数式での表現」の解説

見せかけの回帰は以下のようにして数式として表現される次のような2つランダムウォーク過程考える。 x t = x t − 1 + w t {\displaystyle x_{t}=x_{t-1}+w_{t}} y t = y t − 1 + v t {\displaystyle y_{t}=y_{t-1}+v_{t}} ただし、 w t , v t {\displaystyle w_{t},v_{t}} はIID独立かつ同一分布に従う)で E ⁡ [ w t ] = E ⁡ [ v t ] = 0 {\displaystyle \operatorname {E} [w_{t}]=\operatorname {E} [v_{t}]=0} Var( w t ) = σ w 2 , Var ⁡ ( v t ) = σ v 2 {\displaystyle \operatorname {Var} (w_{t})=\sigma _{w}^{2},\quad \operatorname {Var} (v_{t})=\sigma _{v}^{2}} であるとする。また w t {\displaystyle w_{t}} と v t {\displaystyle v_{t}} は互いに独立であると仮定する。この仮定により x t {\displaystyle x_{t}} と y t {\displaystyle y_{t}} もまた互いに独立無関係である変数となることが分かる。 ここで次のような線形回帰式を最小二乗法推定するy t = α + β x t + ϵ t {\displaystyle y_{t}=\alpha +\beta x_{t}+\epsilon _{t}} x t {\displaystyle x_{t}} と y t {\displaystyle y_{t}} には何の関係もないので β = 0 {\displaystyle \beta =0} である。しかし、この回帰式の、 T {\displaystyle T} 個の観測値においての最小二乗法による β {\displaystyle \beta } 推定量 β ^ T {\displaystyle {\widehat {\beta }}_{T}} は以下の確率変数分布収束する。 β ^ T   → d   σ v σ w ∫ 0 1 V ( t ) W ( t ) d t − ∫ 0 1 V ( t ) d t0 1 W ( t ) d t0 1 W ( t ) 2 d t − ( ∫ 0 1 W ( t ) d t ) 2 {\displaystyle {\widehat {\beta }}_{T}\ {\xrightarrow {d}}\ {\frac {\sigma _{v}}{\sigma _{w}}}{\frac {\int _{0}^{1}V(t)W(t)dt-\int _{0}^{1}V(t)dt\int _{0}^{1}W(t)dt}{\int _{0}^{1}W(t)^{2}dt-\left(\int _{0}^{1}W(t)dt\right)^{2}}}} ここで W ( t ) ,   V ( t ) {\displaystyle W(t),\ V(t)} は互いに独立ブラウン運動である。そして帰無仮説 β = 0 {\displaystyle \beta =0} についてのt検定統計量 t β {\displaystyle t_{\beta }} はある確率変数 Z {\displaystyle Z} に対して t β T   → d   Z {\displaystyle {\frac {t_{\beta }}{\sqrt {T}}}\ {\xrightarrow {d}}\ Z} となる。検定統計量 t β {\displaystyle t_{\beta }} を T {\displaystyle {\sqrt {T}}} で割ったものがある確率変数 Z {\displaystyle Z} に分布収束するので、検定統計量そのものはマイナス無限大無限大発散する。よって観測個数 T {\displaystyle T} が十分大きければ検定統計量 t β {\displaystyle t_{\beta }} は棄却値を上回ることが予想される。 ここで問題となっているのは真の値 β = 0 {\displaystyle \beta =0} の下で誤差項 ϵ t {\displaystyle \epsilon _{t}} が非定常過程単位根過程となっていることである。

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数式での表現

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/02 03:49 UTC 版)

ブラック–リッターマン・モデル」の記事における「数式での表現」の解説

ブラック–リッターマン・モデルベイズ統計学テクニック利用したものとなる。以下ではSatchell and Scowcroft & (2000)よりブラック–リッターマン・モデル数式表現説明する。 まず、市場には n {\displaystyle n} 個の資産存在するものとする。これらの資産期待リターン μ {\displaystyle \mu } は(投資家にとって)確率変数であるものとする。つまり、投資家期待リターンの値そのもの事前にわからないということ表現している。さらに Π {\displaystyle \Pi } を観測され期待リターンとする。仮定として、 Π {\displaystyle \Pi } の μ {\displaystyle \mu } を所与とした条件つき確率分布平均 μ {\displaystyle \mu \,} 、分散 τ Σ {\displaystyle \tau \Sigma } の n {\displaystyle n} 変量正規分布であるとする。ここで Σ {\displaystyle \Sigma } は資産リターンそのもの分散行列であり、 τ {\displaystyle \tau } は投資家考えている期待リターン推定値 Π {\displaystyle \Pi } の正確さ程度表している。 τ = 0 {\displaystyle \tau =0} ならば、投資家観測された Π {\displaystyle \Pi } が真の期待リターン μ {\displaystyle \mu \,} と一致していると考えていると解釈できる。 さらに投資家事前に期待リターンに対してある程度信念持っているとする。 X {\displaystyle X} を k {\displaystyle k} 個の変数表される投資家期待リターン対す事前的な信念とすると、次が成り立つ。 X = P μ ∼ N ( q , Ω ) {\displaystyle X=P\mu \sim N(q,\Omega )} ここで P {\displaystyle P} は k {\displaystyle k} 行 n {\displaystyle n} 列の行列であり、 q {\displaystyle q} は k {\displaystyle k} 次のベクトル、 Ω {\displaystyle \Omega } は k {\displaystyle k} 次の対角行列である。よって、 X {\displaystyle X} は平均 q {\displaystyle q} 分散 Ω {\displaystyle \Omega } の正規分布に従う。これはどのように解釈すればよいかと言うと例えばある特定のポートフォリオ期待リターンについての信念考えることが出来る。 P {\displaystyle P} を時価総額加重平均ポートフォリオを横に並べた 1 行 n 列の行列だと考えると X = P μ {\displaystyle X=P\mu } は時価総額加重平均株価指数期待リターンであり、それが平均 q {\displaystyle q} 分散 Ω {\displaystyle \Omega } の正規分布に従うと投資家事前に考えていると解釈できる。 ここで求めたいのは観測され期待リターン Π {\displaystyle \Pi } で条件づけられた期待リターン μ {\displaystyle \mu } の条件付き期待値である。このような条件付き期待値投資家予測する事後的な期待リターン見なすことが出来る。ベイズの定理から f {\displaystyle f} が密度関数を表すとすれば、次が成立する。 f ( μ | Π ) ∝ f ( Π | μ ) f ( μ ) = f ( Π | μ ) f ( X ) {\displaystyle f(\mu \;|\;\Pi )\propto f(\Pi \;|\;\mu )f(\mu )=f(\Pi \;|\;\mu )f(X)} ここで仮定より Π {\displaystyle \Pi } の μ {\displaystyle \mu } で条件づけられた分布X = P μ {\displaystyle X=P\mu } の事前分布分かっているので f ( Π | μ ) f ( X ) {\displaystyle f(\Pi \;|\;\mu )f(X)} は計算可能である。計算すると、 f ( Π | μ ) f ( X )exp ⁡ { − 1 2 ( μ − μ B L ) ′ Σ B L − 1 ( μ − μ B L ) } {\displaystyle f(\Pi \;|\;\mu )f(X)\propto \exp \left\{-{\frac {1}{2}}{\Big (}\mu -\mu _{BL}{\Big )}^{\prime }\Sigma _{BL}^{-1}{\Big (}\mu -\mu _{BL}{\Big )}\right\}} となる。ここで ′ {\displaystyle \prime } はベクトル行列の転置表し、 μ B L = ( ( τ Σ ) − 1 + P ′ Ω − 1 P ) − 1 ( ( τ Σ ) − 1 Π + P ′ Ω − 1 q ) , {\displaystyle \mu _{BL}={\Big (}(\tau \Sigma )^{-1}+P^{\prime }\Omega ^{-1}P{\Big )}^{-1}{\Big (}(\tau \Sigma )^{-1}\Pi +P^{\prime }\Omega ^{-1}q{\Big )},} Σ B L = ( ( τ Σ ) − 1 + P ′ Ω − 1 P ) − 1 {\displaystyle \Sigma _{BL}={\Big (}(\tau \Sigma )^{-1}+P^{\prime }\Omega ^{-1}P{\Big )}^{-1}} である。つまり、( Π {\displaystyle \Pi } が観測された後という意味で)事後的な期待リターン μ {\displaystyle \mu } の分布平均 μ B L {\displaystyle \mu _{BL}} 分散 Σ B L {\displaystyle \Sigma _{BL}} の正規分布に従う。以上から、投資家平均分散分析に使う期待リターンを μ B L {\displaystyle \mu _{BL}} とすれば観測され期待リターン Π {\displaystyle \Pi } と事前的な自身信念組み合わせた上でポートフォリオ選択可能になる観測され期待リターン Π {\displaystyle \Pi } も標本平均を使うのではなく、以下のような方法特定するCAPM成立しているのであれば、次が成立する。 Π = δ Σ w m {\displaystyle \Pi =\delta \Sigma w_{\mathrm {m} }} ここで δ {\displaystyle \delta } は市場ポートフォリオ時価総額加重型指数)のリスクプレミアム分散割ったものであり、 w m {\displaystyle w_{\mathrm {m} }} は市場ポートフォリオベクトル、つまり各資産時価総額市場全体時価総額割ったものを並べたベクトルである。このようにして計算された Π {\displaystyle \Pi } を用いる。マルチファクターモデルであってもファクターポートフォリオ複製可能ならば同様にして Π {\displaystyle \Pi } を計算することが出来る。 重要となるのは投資家信念における正確さを表すパラメーターである τ , Ω {\displaystyle \tau ,\Omega } の値であるが、これらの値に何を使うべきかという決まった値はなく、投資家自身選択ゆだねられている。

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