見せかけの回帰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/28 08:49 UTC 版)
見せかけの回帰(みせかけのかいき、英: spurious regression)とは、統計学や計量経済学において、統計的に独立である無関係の二つの時系列変数が最小二乗法による回帰分析において統計的に有意な係数の推定値を取ってしまうという問題である。クライヴ・グレンジャーとポール・ニューボールドによって1974年にモンテカルロ法を用いたシミュレーションで発見され[1]、ピーター・フィリップス (統計学者)によって1986年に理論的に示された[2]。単位根過程と呼ばれる時系列変数同士の回帰分析によって起こる問題であり、単位根過程は経済データなどで頻繁にみられるため、1980年代以降の計量経済学における時系列分析では常に注意が払われる問題となっている。
- ^ Granger and Newbold (1974)
- ^ a b Phillips (1986)
- ^ t検定やF検定
- ^ ここでの統計的有意性とは係数が0であるという帰無仮説が棄却されるという意味で用いている。
- ^ a b Hamilton (1994), pp. 561–562
- 1 見せかけの回帰とは
- 2 見せかけの回帰の概要
- 3 見せかけの回帰の回避
- 4 参考文献
見せかけの回帰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/30 06:27 UTC 版)
「クライヴ・グレンジャー」の記事における「見せかけの回帰」の解説
互いにランダム・ウォークする系列どうしで相関係数も求めた場合、相関係数が一様に分布せず、高い値になりやすいことをシミュレーションによって示し、同様、回帰分析を行った場合、一般的に回帰係数が有意になりやすく、また決定係数も大きくなりやすいことを発見した。これはすなわち時系列データどうしを比較し、互いに動的関係があるか否かを判断するために、従来行われていた相関係数の検定や回帰分析という手法が誤りであるという重要な指摘であった。 「計量経済学#単位根と共和分」も参照
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