数式での説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/04 11:28 UTC 版)
「ファーマ–マクベス回帰」の記事における「数式での説明」の解説
以下ではCochrane & (2005), pp. 245–251に基いて説明を行う。Cochrane & (2005)では説明の簡易化がされているが、ファーマとマクベスの論文ではローリングを行うことでベータが時間について変動することを許し、さらに2段階目の回帰式自体も下記に書かれたものより複雑な形で実証分析が行われている。またファーマとマクベスの論文でも後述のブラック–ジェンセン–ショールズの論文でも個別資産ごとの回帰ではなく、特定の基準に基づいたポートフォリオごとの回帰となっているため、以下の説明はオリジナル論文とは若干異なる面もある。 ファクター型資産価格モデルでは、任意の金融資産 i {\displaystyle i} のリスクプレミアム E [ R i e ] {\displaystyle \operatorname {E} [R_{i}^{e}]} が次のような方程式を満たす。 E [ R i e ] = β i , 1 E [ F 1 ] + ⋯ + β i , K E [ F K ] {\displaystyle \operatorname {E} [R_{i}^{e}]=\beta _{i,1}\operatorname {E} [F_{1}]+\cdots +\beta _{i,K}\operatorname {E} [F_{K}]} ここで F 1 , … , F K {\displaystyle F_{1},\dots ,F_{K}} は全ての資産に共通のファクターであり、 β i , 1 , … , β i , K {\displaystyle \beta _{i,1},\dots ,\beta _{i,K}} は各資産 i {\displaystyle i} に固有のファクターに対する感応度を表している。このモデルを実証するには以下のような時系列の回帰式を最小二乗法で回帰することで推定値を得る。 R i , t e = α i + β i , 1 F 1 , t + ⋯ + β i , K F K , t + ϵ i , t , t = 1 , … , T {\displaystyle R_{i,t}^{e}=\alpha _{i}+\beta _{i,1}F_{1,t}+\cdots +\beta _{i,K}F_{K,t}+\epsilon _{i,t},\quad t=1,\dots ,T} ここで R i , t e , F 1 , t , … , F K , t {\displaystyle R_{i,t}^{e},F_{1,t},\dots ,F_{K,t}} は資産 i {\displaystyle i} の超過リターンとファクターの t {\displaystyle t} 時点における実現値である。 α i {\displaystyle \alpha _{i}} は定数項でモデルが正しければ0となる。 ϵ i , t {\displaystyle \epsilon _{i,t}} は誤差項である。 よって通常の標本平均に対するt検定が可能となる。特に α ^ i , i = 1 , … , N {\displaystyle {\widehat {\alpha }}_{i},i=1,\dots ,N} を並べたベクトル α ^ {\displaystyle {\widehat {\alpha }}} がゼロベクトルかどうかの検定は資産価格モデルの妥当性そのものを判断する検定となる。
※この「数式での説明」の解説は、「ファーマ–マクベス回帰」の解説の一部です。
「数式での説明」を含む「ファーマ–マクベス回帰」の記事については、「ファーマ–マクベス回帰」の概要を参照ください。
- 数式での説明のページへのリンク