教育費・公教育・教育格差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:01 UTC 版)
各国の平均教育費については「教育費#各国の教育費」を参照 詳細は「教育を受ける権利」および「教育格差」を参照 国際人権規約は教育を受ける権利を定めている。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}フランスでは、教育を受ける権利の理念にもとづいた制度が徹底しており、国・公立の教育施設においては、幼児教育から大学教育まで授業料が一切無料で、教育を受けたい人は、親の経済状態などにかかわらず教育を受けることができる。誰が教育費を捻出するかは、《教育を受ける権利》と大いに関係してくる。教育費を子供が負担するとすると、収入が無い子供は捻出できず。また、親が全て出すとすると、富裕層が教育を受け、貧困層は教育が受けられず、教育を受ける権利が守られず、教育格差が生まれる。子供は親を選んで生まれてくることができない。親の状態によって教育が受けられる/受けられないなどという差が生まれてしまうようでは、本人の素質や努力によってどうにもならない「生まれ」によって人間が根本的に差別されてしまう、ということで、基本的に人道に反した状態であるということになる。つまり、《教育を受ける権利》を守るためには、教育費は公的に捻出されなければならない。すなわち、国家や地方政府が出すということにしなければ、子供が《教育を受ける権利》が守られないことになってしまい、非人道的な状態になってしまうわけである。[要出典] フランスでは公共機関が行う教育(国立や公立の 幼稚園から大学まで)の授業料が全て無料である。ドイツも小学校から、大学、大学院に至るまで、公立校ならば学費が無料である。 一方、イギリスではインデペンデント・スクールが運営財源を国に頼らず、授業料、寄付、寄付の投資の利子で補っていおり、政府・国家からの独立・自立を実践している。また、ボーディングスクールはスイス、ドイツ、イギリス、アメリカ、カナダ、香港、中国、日本にもあり、世界の富裕層に支持されている。スイスのル・ロゼは年間学費は1200万円を超える。元英国首相のウィンストン・チャーチルや、インドの首相ジャワハルラール・ネルーらを輩出したイギリスのハロウスクールなどもある。 日本では、教育費のうちで国や自治体が費用を出している比率が(世界の先進諸国の中で比較しても)低く、さらに少子化および少子高齢化が進んでいる。また、日本での教育格差も厳然と存在しており、東京大学生徒の親の収入は平均約1000万円で、東京大学合格者は学費の高額な中高一貫校出身者が多くを占めている。 アメリカの公共経済学教授ブライアン・カプランは、学校教育は教育内容よりも学歴(シグナリング)が重視されるが、その点からいえば、学校教育のほとんどは無駄なシグナリングであり、政府も教育支出を削減すべきであるとする。カプランは、歴史、社会、美術、音楽、外国語などは、社会に出ても役に立つことはなく、学生もすぐに忘れるほどで、単に時間の無駄となっており、必須科目から選択制にしたり、または授業の水準をあげて成績下位の生徒を落第にすれば無駄はなくなるともいえるが、しかし、「税金を使って非実用的な教科を教える授業の廃止」が最も有効であると主張する。カプランは、「なぜ美術を勉強するという選択肢に公費をかけて納税者が負担しなければならないのか。それより、公立大学の非実用的な学部は閉鎖し、政府の助成金やローンを受けられない私立大学に非実用的な専攻の学科を創設すればいい」と提案し、現在問題になっている高額授業料にしても、無益な進学を抑制しているだけでなく、専攻の最適化にも役立っていると述べる。
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