教科書の伝統とは? わかりやすく解説

教科書の伝統

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:46 UTC 版)

論理学の歴史」の記事における「教科書の伝統」の解説

伝統的論理学一般的にはアントワーヌ・アルノーとピエール・ニコルの『論理学、あるいは思考技法』、通称ポール・ロワイヤル論理学』に始まる教科書の伝統である。『ポール・ロワイヤル論理学』は1662年出版され19世紀までの間イングランドで最も影響力大き論理学となった本書アリストテレス及び中世名辞論理学枠組み中にデカルト教説(例えば、命題名辞よりむしろ観念結合である、等)を大まかに表している。1664年から1700年までの間に八刷を重ねそれ以降時期にも顕著な影響及ぼしたジョン・ロックが『人間悟性論』で与えた命題説明根本的には『ポール・ロワイヤル論理学』のものと同じである: 「音声的な命題、つまり言葉[は]、我々の持つ観念表徴[であり]、肯定文あるいは否定文構成した分離したりする。そのため命題肯定あるいは否定意味するものに従って、こういった表徴構成した分離したりすることのうちにある。」 (Locke, An Essay Concerning Human Understanding, IV. 5. 6) もう一つ影響力の高い作品フランシス・ベーコン1620年発表された『ノヴム・オルガヌム』である。書名は「新機関」と訳せるが、これはアリストテレス作品オルガノン』を意識したのである本書の中でベーコンアリストテレス三段論法否定して代わりに遅々としていて骨が折れる誠実な作業によって物から情報をかき集め、その情報理解へと導く」方法を好ましいものとした。この方法は帰納推論呼ばれるのである帰納法経験的観察から始まり下流自然法則命題へと進む。下流自然法則からより上流の、より一般的な法則が(帰納によって)導き出される。熱のような現象する自然」の原因発見する際には、熱が見いだされる全ての場合リストアップなければならない。そこでもう一つリスト書きあげられ、そのリストには熱がない場合除いて最初リストにあるのと同じすべての条件書かれている三つ目の表には熱が変化する場合リストアップされている。熱の「様式的自然」、つまり原因第一の表に含まれるすべての場合共通し第二の表に含まれるどの場合にも存在せず第三の表に含まれるそれぞれの場合程度に差があるものでなければならない。 教科書の伝統に属す他の作品としてアイザック・ウォッツの『論理学: あるいは理性正し使い方』(英: Logick: Or, the Right Use of Reason1725年)、リチャード・ウェイトリーの『論理学』(英:Logic1826年)、ジョン・スチュアート・ミルの『論理学体系』(1843年)がある。『論理学体系』はこの流れにおける最後主要作品一つであるが、論理学基礎内観にあるというミル思想は、論理学心理学一分野としてみると最もよく理解できるという、特にドイツでのその後50年論理学発展支配することになる思想アプローチ影響した

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