改装の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/14 20:38 UTC 版)
大戦末期のジェット機の登場により航空機の性能は飛躍的に向上したが、一方で特に初期のジェット機は失速速度の速さ (低速安定性の低さ) 、加速の悪さ、機体重量の重さといった点により、艦上機としての運用には困難が付きまとった。そこで、これらの困難を克服するために就役中の空母を近代化する改修が計画された。 当初は新鋭のミッドウェイ級を対象に検討されたが、改修のために新鋭空母が長期間戦列を離れることは望ましくないため、まず建造が完了していない「オリスカニー」(進捗度85パーセント)に対し実施することとなった。すなわち新型カタパルトの装備や飛行甲板および艦橋構造物の全面再設計などの改修を「SCB-27」と総称し、これらを盛り込んだ上で1947年に建造を再開した。 また、「オリスカニー」の完成を待たずして、本改修に準拠したSCB-27A改装が予備役艦を優先に開始され、1949年から「エセックス」「ワスプ」を筆頭とする8隻に対し実施された。 改装対象の選定については、以下のような経緯がある。 まず会計年度1948年(以下『FY48』というように記す)の計画で「オリスカニー」を完成させ、FY49計画で次の改装対象は予備役にあった「エセックス」と「ワスプ」が選ばれた。改装費用については、オリスカニーが1億1170万ドル(未完成だったので残りの建造費用も含む)、次の二艦が各5500万ドルを費やした。 次の候補(FY50)については、現役で活動中の艦を引き抜いてくる方がコストを抑えられると提唱された。当時のスケジュール上、現役の規模を縮小する方向だったことも理由である。見積もりでは、もし予備役の艦を改装するなら約5000万ドルを要するが、現役中の艦なら約3800万ドルで済むという調査結果が出ている。そこで次の改装対象として現役中の「キアサージ」と「レイテ」が選ばれたが、朝鮮戦争が勃発したことからレイテについては急遽現役続行となった。代わりに予備役の中から レイク・シャンプレインを改装することとなった。 なお、後述するフランクリンも候補として調査が行われており、1950年8月には「予備役の中で状態が最も良い艦のひとつであり、約4300万ドルで改装可能」と評価されている。
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改装の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/11 08:35 UTC 版)
イギリスではカタパルトの発明に続き、より発着艦を合理化できる飛行甲板設計としてアングルド・デッキが考案され、1952年2月より試験を実施していた。アメリカ海軍でも1953年より「アンティータム」で同様の試験を実施した後、当時SCB-27C改装の途上にあった「シャングリラ」「レキシントン」「ボノム・リシャール」の3隻に対し、アングルド・デッキ化などを含む改装をSCB-125と総称して同時に施行することとした。1954年からは、SCB-27A/C改装を受けた艦のうち「レイク・シャンプレイン」を除く10隻も同様の改装を受けた。 本改装の工期は1年半程度で、SCB-27に比べると船体の基本構造の変更は少ないものの、後部エレベータの移設や艦首のエンクローズド・バウ化等によって外見上は大きく変化している。
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