拠点変更と低迷、そして復活へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 03:10 UTC 版)
「エフゲニア・メドベージェワ」の記事における「拠点変更と低迷、そして復活へ」の解説
2018-2019シーズン、SPではそれまでのイメージを一新する明るい曲調のプログラムを作成し、FSもかねてより希望していた「ジャズ&タンゴ」に挑戦することを明かした。また、苦手としていたルッツをSPから組み込む構成を発表した。初戦となったオータムクラシックでルッツが踏切違反の判定を受けながらもSPを首位で折り返す。しかし、FSで転倒などのミスが相次ぎブレイディ・テネルに敗れて準優勝となった。スケートカナダは連続ジャンプで失敗し、7位と大幅に出遅れてしまう。その後のFSで巻き返し、総合3位となるもファイナル進出に黄色信号が灯った。グランプリシリーズ最終戦となるフランス国際で優勝、もしくは2位なら他選手と点数勝負でファイナル進出という厳しい状況の中で挑み、SPは3位につけるも巻き返しを狙ったFSではいくつかのミスが見られ4位。ジュニアデビュー以降、自身初の国際大会の表彰台落ちとなりファイナル出場も逃した。ロシア選手権はSPを新プログラムにして挑んだが、コンビネーションジャンプの抜けとジャンプの転倒で14位と大きく出遅れたのが響き、FSでの巻き返しも空しく総合7位に終わり3年連続で出場していた欧州選手権は補欠に回された。 世界選手権のロシア女子シングル代表3枠の争いは欧州選手権で優勝したソフィア・サモドゥロワ、同選手権とグランプリファイナルで不調ながら銀メダルを獲得したザギトワの2人がほぼ内定となり、実質的に残り1枠を争う厳しい戦いとなった。最終決戦となるロシア杯ファイナルはグランプリファイナルで銅メダルを獲得し、復調の兆しを見せていた元世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワと一騎打ちとなったが、3回転アクセルを失敗したトゥクタミシェワを1.71差で上回り、僅差で勝利を掴み取った。代表3人目はどちらが選ばれるのか世界中から注目を集めたが、ロシアスケート連盟はまさかのスタニスラワ・コンスタンチノワを選出。ただし、「ロシア選手権後に十分な議論を行う時間はなかった。オーダーは世界選手権前に変更できる」とした。その後、同連盟のコーチ評議会の投票により、27人中19人がメドベージェワを推したと地元紙が報じ、コンスタンチノワと入れ替わりでメドベージェワが選出された。 迎えた世界選手権。SPを74.23点の4位で折り返すと、FSは太ももの怪我の痛みを抑えながらも今までの不振を払拭する完璧な演舞で総合223.80点を叩き出し銅メダルを獲得。地元ロシア国内ではカナダへ拠点を移したことで“裏切り者”の焼き印を押され、今シーズン安定した成績を収めてきたトゥクタミシェワを差し置いて代表に選出されたことで反発を招き、またロシア選手権で後輩ジュニア勢に大敗したことからザギトワと共に「2人は終わった」と批判され続けてきたが、「世界選手権のメダルを取ったことで、私たちはまだ健在だ、と立証できたと思う」と胸を張った。 2020年9月にエテリ・トゥトベリーゼのチームに復帰。しかし背中の古傷のため10月のロシア杯、11月のロステレコム杯(英語版)は欠場を余儀なくされ、さらに11月には新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たため自己隔離を行い、肺に深刻な障害がみられたことから入院。12月のロシア選手権も棄権することとなった。このことも影響し、ザギトワとともに2021-2022シーズンのロシア代表の選考に漏れた。
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