手取川流域の珪化木産地 (石川県)
手取川流域の珪化木産地
名称: | 手取川流域の珪化木産地 |
ふりがな: | てどりがわりゅういきのけいかぼくさんち |
種別: | 天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 石川県 |
市区町村: | 白山市桑島 |
管理団体: | 白山市(昭33・6・16) |
指定年月日: | 1957.07.10(昭和32.07.10) |
指定基準: | 地1 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 手取川流域に広く分布するジュラ紀手取統の珪化木であって、多数の植物化石とともに含まれている。地層の中に立木のままで保存され化石林をなすものもある。 わが国で発見された珪化木中最も古いもので、約1億5、000万年以前のものと推測される。地貭学上価値高く保存すべきものである。 |
天然記念物: | 息長ゲンジボタル発生地 慶佐次湾のヒルギ林 成東・東金食虫植物群落 手取川流域の珪化木産地 手石の弥陀ノ岩屋 押ヶ垰断層帯 指月山 |
手取川流域の珪化木産地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/03 00:54 UTC 版)

手取川流域の珪化木産地(てどりがわりゅういきのけいかぼくさんち)とは、石川県白山市白峰地区(旧白峰村)にある国指定の天然記念物である。県指定の天然記念物「桑島化石壁産出化石」はその一部。
概要と歴史
中生代前期白亜紀の代表的な地層である。化石壁周辺は、江戸時代から地域住民には「木の葉の模様のついた石」や「爪の形の模様のついた石」が落ちているとして知られていた。子どもたちは木の葉石を拾ったり、爪石に自分の爪を当てて合わせたりして遊んでいた。爪石とは二枚貝類の貝殻化石密集層の転石のことで、殻の断面形状が爪を押し当てた痕に似ていることから、そう呼ばれていたと思われる。殻の成分が雨水等で溶け出したものは、まさに爪痕のように見える。
1874年にドイツ人学者のヨハネス・ユストゥス・ラインがこの地で十数個の植物の化石を拾い、それがジュラ紀中期ごろのものと判明、ナウマンの弟子小藤文次郎が手取川流域の地質調査を行い、1880年に報告書が発表された。これは日本初の日本語で書かれた地質調査の報告書である。
1889年~94年に横山又二郎による調査が行われ、横山は手取川流域を含む加賀・越前の中生層を「手取統(てどりとう)」と命名した。
1957年、日本最古の珪化木産地として、国の天然記念物の指定を受ける。
1986年、当時日本最古と言われた恐竜(メガロサウルス科の近縁種)の歯の化石が発見された。
桑島化石壁から産出した主な化石


植物化石
- オニキオプシス・エロンガータ Onichiopsis elongata - タカワラビ科(en)のシダの一種
- ビリシア・オニキオイデス Birisia onychioides - シダの一種
- ゼノキシロン・ラティポロサム Xenoxylon latiporosum - 針葉樹の一種
- ポドザミテス・ランセオラートゥス Podozamites lanceolatus - 針葉樹の一種
- ポドザミテス・ライニイ Podozamites reini - 針葉樹の一種
- ギンゴイディウム・ナトールスティ Ginkgoidium nathorsti - イチョウ類の一種
動物化石
- アルバロフォサウルス・ヤマグチオロウム Albalophosaurus yamaguchiorum - 鳥盤目角脚類の恐竜[1]
- カガナイアス・ハクサンエンシス Kaganaias hakusanensis - 世界最古のドリコサウルス類。ドリコサウルス類として初めて淡水域に堆積した地層から見つかった。[2]
- クワジマーラ・カガエンシス Kuwajimalla kagaensis - 2001年に発見され、2008年に新属新種と認定された、世界最古の植物食トカゲ。[3]
- クロユリエラ・ミキコイ Kuroyuriella mikikoi - 系統不明のトカゲ[4]
- アサガオラケルタ・トリカスピデンス Asagaolacerta tricuspidens - テユー科に近縁なトカゲ[4]
- シラーペトン・イサジイ Shirerpeton isajii - アルバネルペトン科の両生類。[5]
- ハクサノドン・アルカエウス Hakusanodon archaeus - 中生代のほ乳類(三錐歯目)の一種。[6]
- ハクサノバータル・マツオイ Hakusanobaatar matsuoi - 多丘歯目のほ乳類。[7]
- テドリバータル・ライニ Tedoribaatar reini - 多丘歯目のほ乳類。[7]
- モンチリクタス・クワジマエンシス Montirictus kuwajimaensis - 白亜紀まで生き残った最後のトリティロドン類[8]
- テトリイクチス・クワジマエンシス Tetoriichthys kuwajimaensis - 世界最古のアロワナ類[9]
- シナミア・ククリヒメ Sinamia kukurihime - アミア目の魚類[10]
- テトリプパ・コスタータ Tetoripupa costata - サナギガイ類の巻貝の一種。1億3千万年前の化石としては世界2例目、新種として発表された中では世界最古。[11]
- ザプティチウス・クワジマエンシス Zaptychius kuwajimaensis - 現生オカミミガイ類の近縁種。[11]
- アプレクサ・カセキカベ Aplexa kasekikabe - サカマキガイの一種。[11]
脚注
- ^ “新種化石06「桑島化石壁産出の恐竜化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ “新種化石01「桑島化石壁産出のは虫類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ “新種化石03「桑島化石壁産出のトカゲ類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ a b “新種化石10「白山市桑島地内産出のトカゲ類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ “新種化石12「桑島化石壁産出の両生類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ “新種化石02「桑島化石壁産出のほ乳類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ a b “新種化石04「桑島化石壁産出のほ乳類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ “新種化石02「桑島化石壁産出のほ乳類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ “新種化石05「桑島化石壁産出の魚類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ “新種化石09「桑島化石壁産出の魚類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
- ^ a b c “新種化石07「桑島化石壁産出の貝類化石に学名がつきました」”. 白山市. 2022年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月5日閲覧。
参考文献
- 「桑島化石壁から新種発見」『広報はくさん』39号、15頁、2008年4月。
関連項目
- 手取川流域の珪化木産地以外の、国の天然記念物に指定された珪化木関連の指定物件は次の5件。
外部リンク
- 手取川流域の珪化木産地 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 手取川流域の珪化木産地・山科の大桑層化石産地と甌穴(石川県)
- 桑島化石壁産出化石・縄又のモウソウキンメイチク林(石川県)
- 手取川流域の珪化木産地(白山市)
座標: 北緯36度12分16.55秒 東経136度37分53.64秒 / 北緯36.2045972度 東経136.6315667度
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