波根西の珪化木 (島根県)
波根西の珪化木
名称: | 波根西の珪化木 |
ふりがな: | はねにしのけいかぼく |
種別: | 天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 島根県 |
市区町村: | 大田市久手町波根西 |
管理団体: | 大田市(昭11・10・6) |
指定年月日: | 1936.09.03(昭和11.09.03) |
指定基準: | 地1 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 波根西の珪化木は,山陰本線九手駅の北方600mほどの海岸に露出している。新第三紀中新世大森層の角礫凝灰岩層の中に取り込まれていたものが,海食により露出したものである。樹種は広葉樹で,炭化したものもある。 山陰線久手驛ニ近キ海岸ニ露出ス。第三紀ノ木化石ガ火山泥流ノ固結シタルト覺シキ角礫凝灰岩中ニ埋藏セラルヽモノニシテ中ニハ木質ノ炭化シタルモノアレド多クハ硅化シテ硅化木トナレリ、樹種ハ概ネ濶葉樹ニ屬セリソノ成因ガ火山破裂ニ関係セル點ガ北九州等ニ多ク見出サルヽ硅化木ト異リテ學問上珍シキモノナリ |
天然記念物: | 沼田西のエヒメアヤメ自生南限地帯 法泉寺のシンパク 法量のイチョウ 波根西の珪化木 波波伎神社社叢 津島暖地性植物群落 洲原神社ブッポウソウ繁殖地 |
波根西の珪化木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/26 15:05 UTC 版)

波根西の珪化木(はねにしのけいかぼく)は、島根県大田市久手町の波根西海岸にある机島を中心とした岩礁に存在する樹木の化石。火山泥流が固結した際に珪化が起こり、第三紀中新世大森層の角礫凝灰岩層が波打ち際に露出したものである[1]。国の天然記念物に指定されている[2]。
概要

JR久手駅北方600メートルほどの波根西海岸に、海から斜めに3メートル余り、大きいもので6メートルほど飛び出したような形状で、珪化木が露出している。
樹幹や枝が地中に埋もれている間に、水に溶けた二酸化珪素(SiO2nH2O)が内部に入りこんで沈殿し、細胞の内容物と置換して、木の内部組織をのこして化石となることがある。これを珪化木といい、植物の化石の一種である。蛋白石化あるいは瑪瑙化しているため、磨いて飾り石にされる。
2000万年前の第3紀の、日本列島の形成過程で起きた火山活動の影響で、火山から噴出した物が土石流となって流れ下り、なぎ倒された流木が埋没した。中には木質の炭化したものもあるが、多くは珪酸を含有した地層の中で、長い年月を経て桂化作用が起こり岩石となった。日本海の荒波で地層が海食され、周囲と比較して堅い珪化木が残された。火山の噴火によってできたという点で、九州北部などの硅化木と違い、学問上、珍しいものである。 これらの樹はブナの木であると推定され、大きいものでは長さ6.8メートル、周囲は太いところで2.2メートル、細いところで1.7メートルある。
1936年(昭和11年)に、波根西海岸の机島を中心に東西と北方の島30アールとその周辺の海域約3ヘクタールが国の天然記念物に指定されている。
同じ大田市内の小豆原埋没林公園では、約3,500年前、三瓶山の火山活動によって埋もれた埋没林が見られる。
地元の小学校の中庭などには、移転された珪化木の一部が飾られており、久手町観光開発協会では、珪化木に続く遊歩道の入り口付近に説明看板を設置している。
交通アクセス
脚注
関連項目
- 波根湖
- 波根西の珪化木以外の、国の天然記念物に指定された珪化木関連の指定物件は次の5件。
外部リンク
座標: 北緯35度14分10.9秒 東経132度30分25.3秒 / 北緯35.236361度 東経132.507028度
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