感受性の個人差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 13:49 UTC 版)
シミュレーター酔いやVR酔いに対する感受性は個人差が大きい。VR酔いの要因のいくつかは以下の通り: 年齢:乗り物酔いに対する感受性は2歳から12歳の間で最も高くなる。その後、21歳前後まで急激に減少し、その後はゆっくりと減少し続ける。VR酔いも同様のパターンをたどる可能性があることが示唆されているが、最近の研究では、50歳以上の成人は若い成人よりもVR酔いになりやすいことが示唆されている。 姿勢の安定性:姿勢の不安定性は、視覚的に誘発される乗り物酔いに対する感受性を高めることがわかっている。また、VR酔いの吐き気や見当識障害の症状に対する感受性の増加にも関連している 。 ちらつき融合頻度のしきい値:ディスプレイのちらつきはVR酔いのリスクの増加に関連しているため、ちらつきを検出するためのしきい値が低い人は、VR酔いの影響を受けやすい可能性がある。 民族性:アジア人は、VR酔いの影響を受けやすい可能性がある。中国人女性は、ヨーロッパ系アメリカ人やアフリカ系アメリカ人の女性よりもVR酔いになりやすいとみられる。研究によると、彼らは視力に基づく乗り物酔いの影響を受けやすいことがわかっている。チベット人と北東インド人も白人よりも乗り物酔いの影響を受けやすいようであり、乗り物酔いに対する感受性は乗り物酔いに関連するさまざまな障害に対する感受性を予測するため、彼らもまたVR酔いになりやすことを示唆している。 システムの経験:ユーザーは、仮想現実システムに慣れ親しむにつれて、VR酔いを起こす可能性が低くなるとみられる。適応は、仮想現実システムへの2回目の体験ですぐに起こる可能性がある。性別:女性は男性よりもVR酔いになりやすい。これは、ホルモンの違いが原因であるかもしれないし、女性の方が男性よりも視野が広いためか、奥行の手がかりの認識における性差が原因である可能性もある。女性は排卵中にVR酔いを起こしやすく、視野が広いこともVR酔いの増加に関連している。より最近の研究では、ジェンダーまたは性別がVR酔いに対する感受性の明確な要因であるかどうかに関して意見が分かれている。 健康:VR酔いになりやすいのは、通常の健康状態にない人々で増加しているようであり。これは、バーチャルリアリティが健康状態の悪い人々には適切でない可能性があることを示唆している。これには、疲れていたり、睡眠不足であったり。吐き気を催している場合や、上気道疾患、耳の病気、またはインフルエンザを患っている場合が含まれる。 メンタルローテーション能力:メンタルローテーション能力が優れていると、VR酔いに対する感受性が低下するようであり、メンタルローテーションでユーザーをトレーニングすることで、VR酔いの発生率を低下させる可能性があることを示唆している。 場依存性/独立性:場依存性/独立性は、認知スタイルの尺度であり、強い場依存性を持つ人々は、物体の知覚に対する周囲環境の影響が強いことを示すが、強い場独立性を持つ人々は、物体の認知における周囲環境の影響が小さいことを示す。場依存性/独立性とVR酔いの関係は複雑であるが、一般的にはどちらか一方の極端な傾向が強い人は、VR酔いに最もなりやすいとみられる。 乗り物酔いの感受性:現実の乗り物酔いになりやすい人は、VR酔いにもなりやすい。
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