差次感受性理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/02 07:39 UTC 版)
ジェイ・ベルスキーによって提唱された差次感受性理論(Differential Susceptibility)では,一つのモデルで,ポジティブ/ネガティブ双方の環境に対する反応性の個人差を説明できる。ベルスキーとその共同研究者は,発達の過程で環境からの影響を受けやすい子どもとそうでない子どもが存在する理由について,進化論的な観点から明らかにしようとした。特筆すべきは,感受性の高い個人が,(素因ストレスモデルで示されているように)劣悪な環境からネガティブな影響を受けやすいだけでなく,(ヴァンテージ感受性理論で示されているように)好ましい環境からポジティブな影響も受けやすいことを示した点である。複数の実証研究において,差次感受性は遺伝的指標,生理的指標,心理的指標と関連することが示唆されている(そのうちのいくつかは,下記「感受性の個人差に関する実証的知見」にて解説)。初期の研究では,感受性に個人差が生じる原因は,遺伝的な要因にあることが示唆されていたが,最近の研究では,出生前後の環境によっても影響される可能性が示されている。
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