惑星カプチェランカの戦闘
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「銀河英雄伝説の戦役」の記事における「惑星カプチェランカの戦闘」の解説
宇宙暦791年/帝国暦482年7月。ラインハルト少尉とキルヒアイス准尉が酷寒の惑星カプチェランカの帝国軍前線基地BIII(ベー・ドライ)に赴任した時の戦闘および関連した事件。なお、この戦闘を描いた「白銀の谷」の原作小説は、当初は通常の単行本に収録されていなかったが、西暦2002年3月発行の徳間デュアル文庫「銀河英雄伝説外伝1・黄金の翼」に収録された。 ラインハルトとキルヒアイスの赴任にあわせて、基地司令官のヘルダー大佐はベーネミュンデ侯爵夫人及びグレーザー医師より秘密の指令を受ける。彼は部下で共謀者のブーゲンベルヒ大尉を通じて、ラインハルトとキルヒアイスの二人に機動装甲車による敵情視察を命じた。この車には途中で水素電池のエネルギーが不足するように細工がなされ、厳寒のカプチェランカで立ち往生するように仕組まれていたが、二人は人生でもっとも寒い夜を乗り切り、現場を哨戒していた同盟軍の装甲車3両を襲撃して電池ならびにデータを奪って窮地を脱した。これがラインハルトとキルヒアイスにとって最初の実戦と戦果になった。 この時2人は同盟の装甲車が脳波検出装置によるセキュリティ(OVAでは脳波コントロール操縦システム)を使用しており、操縦が不可能で、移動手段を喪失したことを知る。ヘルダーに命じられて謀略の成果を確認にきたブーゲンベルヒに対して、ラインハルトは困窮した様子を演じ、真意を聞き出した後射殺した。 道原かつみ版コミック、黄金の翼では、ラインハルトの命を狙うクルムバッハ少佐は、同盟軍との戦いで戦死したことになっているヘルダー大佐が、実はラインハルトに殺されたのではないかと疑っている。また、同じくコミック本編では惑星カプチェランカと環境が酷似した戦場でミッターマイヤーとロイエンタールが地上戦を行なっていることが描かれている(OVA版では惑星カプチェランカとテロップが出されて、2人の地上戦の様子を描いている)。 藤崎竜版コミックでは、話の流れは概ね原作に倣っているが、登場人物はヘルダー・フーゲンベルヒ・ベーネミュンデの3名のみとなっており。特にフーゲンベルヒは大尉から伍長へ階級が変わり、ラインハルトに合って以降、彼に共感と信頼を寄せながらもヘルダーに弱みを握られ、不本意ながら陰謀に加担した好人物へと変わっている(ヘルダーの動機も、辺境であるカプチェランカから中央への栄転を約束されたためとされている)。原作と同じく自分達の装甲車から食料、水素電池を抜き取られた2人であったが、数日後に向かってきた同盟軍の装甲車3台のうち2台を鹵獲するという戦果を挙げる。ラインハルトは自らを窮地に貶めた者を誘い出すため、架空の救援要請を基地に送り、確実に始末せんとしたヘルダーとフーゲンベルヒを雪原に誘い出す。 もとよりラインハルト達の暗殺に懐疑的だったフーゲンベルヒは道中もヘルダーに助命を願い出ていたが、ヘルダーも表向き同意する口振りを見せていた。到着したフーゲンベルヒは待ち構えていたラインハルトと接触し、事の真相と謝罪をする。だが、ヘルダーに口約束を守る気など無く、直後にフーゲンベルヒはヘルダーによって殺害される。フーゲンベルヒの遺体を抱きかかえ、身動きの取れないラインハルトに向けて勝ち誇ったヘルダーは照準を定めるが、彼の発したアンネローゼへの侮辱がラインハルトの逆鱗に触れ、伏せていたキルヒアイスの装甲車の主砲によって消し飛ばされた。
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