思想および宗教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/28 00:04 UTC 版)
太平洋岸北西部は北アメリカで英語を話す民が最後にキリスト教を伝えた所である。このことはカスケード山脈の西で伝えられている。それにも拘らず、地域の大きな国際的慈善団体4つのうち3つまでが信仰に基づくものである。ノースウエスト・メディカル・チーム・インターナショナル、ワールド・コンサーン、ワールドビジョン・インターナショナルおよびマーシー・コーがそれである。落ちぶれた労働者や酔っ払いに食べ物と教えを提供する避難場所としてのスキッドロード伝道所の原型はシアトルやバンクーバーのスラム街(skid roads)で始まった。救世軍はバンクーバーのギャスタウン地区に深い根があり、1880年代のカナダ太平洋鉄道の建設やクロンダイクのゴールドラッシュで脚光を浴びた時代からのものである。 教会に集まる人の比率は小さいものの、この地域には特徴あるキリスト教の集団が集まっている。ロシア起源のドーコーバー派からブリティッシュコロンビア州の再洗礼派であるメノナイトまで、数え切れないくらいの宗教に基づく社会が、フィンランド人、ノルウェー人、デンマーク人などによって作られて来た。メノナイト中央委員会による補助療法サービスはブリティッシュコロンビア州のアボッツフォードに本拠を置いている。メノナイト中央委員会とメノナイト災害支援サービスは、フレーザー渓谷の強いメノナイト社会から多くの入信者や寄付を集めている。この地域にはまた正教会(ギリシャ、ロシア、セルビアなど)のかなり強力な支部があり、ウクライナ東方帰一教会も存在する。 多年にわたって、東方の特に仏教や道教の探索が太平洋岸北西部では盛んになっており、特にチベット仏教は強い信者がいる。北西チベット文化協会は、この手の組織としては世界最大と主張しており、1993年にポートランドに設立された。ヨーガ哲学の教えやスーフィズム(イスラム教の神秘主義哲学)、民族信仰や古代信仰、およびその他の哲学が広く研究され受け入れられている。ブリティッシュコロンビア州の低地には、シーク教徒のカナダへの移住者が多く、大変大きな地域社会と文化を造っており、また同様に1980年代のアジアからの移民の増加により中国仏教寺院や信徒も成長している。ヒンドゥー教、ゾロアスター教、および最近増えているインド、中東、アフリカ、バルカン半島、東南アジアなどからのイスラム教信徒が少数だがいる。 ニューエイジの思想やネオパガニズムのような宗教や思想もこの地域は惹きつけている。メアリ・マニン・モーリシーのリビング・エンリッチメント・センターと呼ばれる「メガチャーチ」はオレゴン州ウィルソンビルにあり、推定信徒数2,000から5,000の間の世界でも最大の新宗教である。モーリシーの「人生の鍵」宗教計画はアメリカ西海岸の主要ネットワークで放送されている。「神との対話」を著したニール・ドナルド・ウォルシュはオレゴン州アッシュランドに住み、退役者センターを営んでいる。国際的に認められたせ威信指導者で、プーンジャジの教え子でもあるガンガジもアッシュランドに住んでいる。(組織によれば)不死身の存在であるラムサの教導所がワシントン州イェルムに最近造られた。サニヤシンの和尚ラジニーシはオレゴン州アンテロープ近くに信仰と生活様式のセンターを設立した。ここにはヒンズー教の僧院があり、地域経済の奪取を試みたことがある。「神の光の使節団」(Emissaries of the Divine Light)はブリティッシュコロンビア州の100マイルハウス地域で顕著な存在である。さらに議論を呼ぶことは、20世紀の初めにブリティッシュコロンビア州のガルフ諸島でブラザー・トウェルブによって主宰されたコミューンである。オレゴン州ウィラメットバレー、アラスカ州、アルバータ州などにはオールドビリーバー、すなわちロシア正教古儀式派の大きな集団がいる。
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