御嶽山(岐阜県・長野県)
3067m 北緯35度53分34秒 東経137度28分49秒 (剣ヶ峰) (世界測地系)
概 要
御嶽火山は、乗鞍火山列の南端に位置する成層火山で、古期・新期の火山体が侵食期をはさんで重なり、新期御嶽の初期にはカルデラが生じたが、引き続く活動によってカルデラや放射谷が埋積されて、ほぼ円錐状の現在の地形がつくられた。最新期の活動では、山頂部に南北方向に並ぶ数個の安山岩の小成層火山を生じた。火口のいくつかは現在火口湖となっている。岩石は玄武岩・安山岩・デイサイト(SiO2 51~69%)。1979年の噴火以降、蒸気の噴煙が続いている。また王滝山頂の西側及び地獄谷内に硫気地域がある。別名、木曽御嶽山、以前は「御岳山」とも書かれた。
新期御嶽火山は継母岳(ままははだけ)火山群と摩利支天(まりしてん)火山群からなる。約9~11万年前、広域テフラとして有効なPm-I降下軽石層で始まった大量の流紋岩質の軽石噴火とそれに伴うカルデラ形成によって活動を開始した。約8~9万年前には流紋岩-デイサイト質の継母岳火山群の活動があり、カルデラを埋めて溶岩ドームや火砕流が山体を構成した。
引き続いて約8万年前からは安山岩質の摩利支天火山群が活動した。8つの火山からなり、カルデラ内で火口を移動しながら活動し、カルデラはほぼ埋め立てられて現在の御嶽火山の南北に並ぶ山頂群が形成された。この火山群の活動はほぼ2万年前に終了した。木曽川泥流堆積物はこの火山群の活動中の約5万年前に発生した大規模な岩屑なだれ-土石流堆積物であり、その流下距離は木曽川沿いに約150kmに達している。最近2万年間は、水蒸気爆発を中心にした活動期である(首都機能移転の火山災害に係る検討会HP)。
南東山麓では1978年からしばしば地震の多発がみられ、昭和59年(1984年)9月14日にはマグニチュード6.8の地震(昭和59年(1984年)長野県西部地震)が発生した。
最近1万年間の火山活動
最近2万年間には、温泉・噴気などの恒常的な熱放出活動と間欠的な水蒸気爆発が発生している。約6000年前以降、1979年の爆発を含めて、少なくとも5回の水蒸気爆発が発生している(小林,1993)。
記録に残る火山活動
火山観測
気象庁では,地震計,空振計,GPS ,遠望カメラを設置し,御嶽山の火山活動の監視・観測を行っています。
火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や,火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回,上旬に公表します。
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固有名詞の分類
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