後期普通車型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/04 14:00 UTC 版)
デハ5形 (37 - 80) デハ6形 (81 - 86) クハニ2形 (7 - 31) 1928年(昭和3年)から1929年(昭和4年)にかけてデハ50両・クハニ25両の計75両が新製された、昭和2年 - 4年系の中核を形成するグループである。 本グループから客用扉を片側2箇所備える2扉車体に設計変更され、側面窓配置は片運転台仕様のデハ5形がd2D10D3、両運転台仕様のデハ6形がd2D10D2d、荷物合造車のクハニ2形がd2D10D2Bとなった。妻面形状は前期普通車型デハ4形に準じ、正運転室側が非貫通構造、副運転室側(連結面側)が貫通構造となっているほか、全車とも乗務員扉が設置されている。車内はデハ・クハニともロングシート仕様に変更された。なお、デハ6形は運転台が正運転室側・副運転室側とも全室式構造となっており、トイレは設置されていない。また、クハニ2形は荷物室が連結面に設けられており、連結面寄りの側窓2枚分のスペースが荷物室に充てられ、荷物用扉は車端部に設けられた。そのため、トイレが連結面ではなく後位側客用扉の直後に設置された点が特徴である。 デハ5形は前述の通り当初片運転台仕様で落成し、連結面側にはトイレを有するのみであったが、1931年(昭和6年)から全車とも片隅式の副運転室を新設して両運転台仕様に変更され、同時に車番はそのままにデハ7形と改称された。両運転台化改造に際しては副運転室側にも乗務員扉が新設されたが、トイレ設備の都合から副運転室側の乗務員扉は片側にのみ設置されており、デハ6形との外観上の相違点となった。 デハ7形40は1933年(昭和8年)に火災により車体を焼損した。復旧に際しては副運転室側妻面の非貫通構造化ならびに運転台の全室式構造化の上、客用扉部分を拡幅して荷物電車(荷電)化改造が実施され、デニ1形1と改称・改番された。また、同時に台車を含めた主要機器を大正13年系デハ1形2が電装解除された際の発生品に換装し、手動加速制御(HL制御)車となったことから、本系列他車との併結・混用は不可能となった。 クハニ28 - 31は1938年(昭和13年)に荷物室およびトイレを撤去の上、電動車化・両運転台化改造を施工しデハ105形105 - 108と改称・改番された。改造に際しては新設運転台(副運転室)側にも乗務員扉が設置されたため、外観上はデハ6形とほぼ同一となったものの、副運転室側の運転台が左側に設けられた点が異なる。電装品については他の電動車化改造車と同様に日立製のものが採用されたが、主電動機は大正14年系デハ101形と同一のHS-254(端子電圧750V時定格出力75kW)を搭載した。 なお、クハニ11は1939年(昭和14年)に同車の名義を流用してクハ12形1107が新製され、車籍は同車へ継承された。 本グループにおいてはデハ7形56・60が戦災焼失し、デハ6形85が機銃掃射によって車体を損傷したが、被害が比較的軽微であったデハ85のみ復旧され、デハ56・60については戦後同2両の復旧名義でクハ430形431・432が新製された。デハ85は汽車製造において復旧工事が施工されたが、同時に主要機器が前期普通車型デハ8形と同一の電装品に換装された。その他、時期は不詳ながら、デハ7形39・51・79の3両に対しても同様の機器換装が実施された。 大改番に際しては、前述のクハニ11および戦災焼失した2両を除く72両が対象となり、モハ3210形・モハ3250形・モハ5420形・クハニ270形・モハ1400形・モニ1170形の6形式に区分された。 デハ5形(デハ7形)・デハ6形・クハニ2形 改番一覧形式 車番 火災焼損復旧 電動車化 大改番 デハ5形(デハ7形)37・38 ‾ ‾ モハ3210・3211 39 ‾ ‾ モハ5420 40 デニ1形1 ‾ モニ1170 41 - 50 ‾ ‾ モハ3212 - 3221 51 ‾ ‾ モハ5421 52 - 55 ‾ ‾ モハ3222 - 3225 56 ‾ ‾ (クハ431へ車籍継承) 57 - 59 ‾ ‾ モハ3226 - 3228 60 ‾ ‾ (クハ432へ車籍継承) 61 - 78 ‾ ‾ モハ3229 - 3246 79 ‾ ‾ モハ5422 80 ‾ ‾ モハ3247 デハ6形81 - 83 ‾ ‾ モハ3252 - 3254 84 ‾ ‾ モハ3250 85 ‾ ‾ モハ5423 86 ‾ ‾ モハ3251 クハニ2形7 - 10 ‾ ‾ クハニ270 - 273 11 ‾ ‾ ‾ 12 - 16 ‾ ‾ クハニ274 - 278 19 - 27 ‾ ‾ クハニ279 - 287 17・18 ‾ ‾ クハニ288・289 28 - 31 ‾ デハ105形105 - 108 モハ1402 - 1405
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