後期旧石器時代前半(オーリニャック期〜グラヴェット期)
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後期旧石器文化の主な担い手は、現生人類であるホモ=サピエンス=サピエンス(Homo sapiens sapiens)である。ヨーロッパにおいて、現生人類による考古学的文化のうち最も初期のものにオーリニャック文化(Aurignacian)がある。およそ42000〜32000年前にヨーロッパ南部で栄え、剥片の多用(他のヨーロッパ後期旧石器文化では剥片石器の使用が少なく、石刃中心の組成を見せる)で知られる。またオーリニャック文化に後続する時期には、ロシア平原〜クリミア山脈付近を中心として、尖頭器を多数出土することで知られるグラヴェット文化(Gravettian)が栄えた。(33000年前〜24000年前)この時代には、オーリニャック文化・グラヴェット文化問わず女性像が多く製作されたこともまた特筆に値する。世界最古の女性像とされるホーレ=フェルス(Höhle-Fels)の例をはじめ、オーストリアのガルケンベルク(Galgenberg)、ロシア平原のコスチェンキ、ガガリーノ、アヴデーヴォ遺跡がそれぞれ女性像を出土したことで知られている。 30000年前のチェコや35000年前のベルギーの人骨からハプログループC1a2 (Y染色体)が検出されており、このタイプがヨーロッパで最古層の集団と考えられる。
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