「最初の東京人」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 09:08 UTC 版)
「多摩ニュータウン」の記事における「「最初の東京人」」の解説
1987年(昭和62年)、稲城市坂浜にある多摩ニュータウンNo.471-B遺跡から約5万年前の石器13点が発掘された。武蔵野ローム層の中にある約5万年前に箱根山が降らせた東京軽石層の直上と直下から出土したことから、「最初の東京人」の確かな証拠として一躍有名になった。1995年(平成7年)3月にはこれらの石器13点が東京都指定有形文化財に指定された。 ところが、2000年(平成12年)11月に東北旧石器文化研究所の藤村新一による一連の旧石器捏造事件が発覚。多摩ニュータウンNo.471-B遺跡からの石器の出土と発掘に同人らが関与していたことから、出土した石器の信頼性について再検討された。当時の事実関係や石材産地の同定などの調査の結果、出土状況が不自然であること、流紋岩質の石材産地が少なくとも200km以上離れていることなどから、「約5万年前の石器群という、これまでの評価をそのまま首肯することも困難である」という結論が出された。多摩ニュータウンNo.471-B遺跡からの石器は、2001年(平成13年)10月25日に有形文化財指定も解除されている。 現在、多摩ニュータウン地域で最も古い時代の石器が出土している遺跡は、八王子市の多摩ニュータウンNo.402遺跡などで、立川ローム層最下部から約3万年前 (後期旧石器時代前半) の石器が出土している。
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