前期普通車型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/04 14:00 UTC 版)
デハ4形 (17 - 18・21 - 36) クハ3形 (9・10) 1927年(昭和2年)にデハ18両・クハ2両の計20両が新製された、昭和2年 - 4年系において最初に落成したグループである。 全車とも3扉車体の両運転台車で、外観は大正15年系ホハ11形(デハ3形)と類似しているが、車体長の相違に起因して各部吹き寄せ寸法が異なるほか、前面窓上部の行先表示窓が廃止された点が主な相違点である。側面窓配置は1D7D7D1(D:客用扉)、乗務員扉は設置されていない。車内はセミクロスシート仕様である。最初期に落成したデハ17・18ならびにクハ9・10の4両は両側妻面とも貫通構造であったが、以降の16両は正運転室側妻面が非貫通構造に変更され、同設計は以降の本系列における標準仕様として踏襲された。なお、デハ19・20の車両番号(車番)は大正15年系ホハ11形のうち、遅れて電動車化が実施された2両に付番されたことから、デハ18の次に増備された車両にはデハ21の車番が付与された。 デハ4形は1930年(昭和5年)にデハ35・36を除いて全車とも客室の一部を荷物室に改造し、車番はそのままにデハニ4形と改称された。改造に際しては正運転室側の側窓2枚分までの客室スペースを荷物室に転用したもので、車体に手は加えられず、扉の拡幅等は行われていない。なお、デハニ17・18は翌1931年(昭和6年)に荷物室を撤去して再びデハ4形17・18に戻り、デハニ23は1936年(昭和11年)に荷物室を郵便室に改装してデハユ2形と車番はそのままに改称された。 クハ3形は1934年(昭和9年)と1936年(昭和11年)の二度にわたって電動車化改造が実施された。これに先立つ1932年(昭和7年)に行われた電動車化改造から国産主要機器(日立製作所製)が採用されており、クハ3形の電動車化改造においても主制御器は電動カム軸式のMCH-200Dが、主電動機はHS-266(端子電圧750V時定格出力110kW/同定格回転数1,000rpm)がそれぞれ採用された。改造後はデハ8形93・94と改称・改番されている。 その後、戦災によってデハニ26・デハ35が焼失し、戦後間もなくデハ36が事故で車体を焼損したが、後者については復旧工事が施工され、その際電装品が前述クハ3形の電動車化に際して採用されたものと同一の機器に換装された。戦災焼失した2両については、戦後に同2両の復旧名義でクハ430形436・437が新製されている。また、デハニ29は事故で正運転室側前面を破損し、復旧に際して乗務員扉が新設された。 これら18両が大改番の対象となり、電装品および車内設備の相違によりモハ3200形・モハニ3270形・モハ5400形・モハ5430形の4形式に区分された。 デハ4形・クハ3形 改番一覧形式 車番 荷物合造車化 荷物室撤去 電動車化 郵便合造車化 大改番 デハ4形17・18 デハニ4形17・18 デハ4形17・18 ‾ ‾ モハ3200・3201 21・22 21・22 ‾ ‾ ‾ モハニ3270 - 3274 23 23 ‾ ‾ デハユ2形23 24・25 24・25 ‾ ‾ ‾ 26 26 ‾ ‾ ‾ (クハ436へ車籍継承) 27 - 34 27 - 34 ‾ ‾ ‾ モハニ3275 - 3282 35 ‾ ‾ ‾ ‾ (クハ437へ車籍継承) 36 ‾ ‾ ‾ ‾ モハ5430 クハ3形9 ‾ ‾ デハ8形94 ‾ モハ5401 10 ‾ ‾ デハ8形93 ‾ モハ5400
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