彼の言動をめぐるパレスチナ問題とは? わかりやすく解説

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彼の言動をめぐるパレスチナ問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 14:32 UTC 版)

ダニエル・バレンボイム」の記事における「彼の言動をめぐるパレスチナ問題」の解説

バレンボイムは、イスラエルによるヨルダン川西岸地区ガザ地区占領批判の声上げ続け(つまり、アラブ諸国パレスチナ主張する西岸ガザでの主権放棄しパレスチナ国家」を樹立するという主張沿う発言をしている)、今やイスラエルが「ある民族アイデンティティと戦うことによって、倫理的な失いつつある」と述べた2003年には、イギリスの音楽評論家ノーマン・レブレクトによる取材に応じてイスラエル政府動向を、「倫理的におぞましく、戦略的に誤っていて」、「イスラエル国家のまさに存在危機陥れる姿勢であると糾弾したバレンボイムは、パレスチナ人アラブ人)との連帯の意思表示として、イスラエルユダヤ人入植地とりわけヨルダン川西岸地区において演奏活動行なってきた。 1999年には、親し友人パレスチナ系アメリカ人学者エドワード・サイード共鳴しウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団創設加わった。これは毎年イスラエルアラブ諸国才能あるクラシック音楽演奏家集めて結成されるオーケストラである。同管弦楽団結成された際、指揮者選びめぐって楽団員糾合した時、アラブ側納得させるために担ぎ出されたのが、ほかならぬバレンボイムであった。これはバレンボイムが、たびたびイギリスアメリカにおいてパレスチナ寄り発言をしてきた過去や、歯に衣着せないイスラエル政治批判エドワード・サイードとの交友関係イスラエル本土での演奏よりもイスラエル占領地区での積極的な慰問演奏アラブ側評価されてのことであったバレンボイムサイード2人は、この活動に対して、「諸国民の相互理解の向上」に寄与したとして、2002年スペイン王室より「アストゥリアス公褒章 Premios Príncipe de Asturias 」を授与された。バレンボイムサイード共著 Parallels and Paradoxes は、ニューヨークカーネギー・ホール催され連続公開討論基づいている。 2001年7月7日バレンボイムエルサレムにおいて、イスラエル音楽祭一環としてベルリン国立歌劇場指揮してワーグナーオペラトリスタンとイゾルデ』の一部上演した場内騒然となり、バレンボイム数名イスラエル人から「ファシスト」のレッテルを貼られた。イスラエルにおいてワーグナー音楽タブー視されている。 理由としては、かつてユダヤ人殲滅主張していたヒトラーワグネリアンであり、バイロイト音楽祭に足を運ぶなどアーリア人文化的優越宣伝するためにワーグナー利用したこと、またワーグナー自身も「K・フライゲダンク」というペンネーム著した音楽におけるユダヤ性」において、メンデルスゾーンなどのユダヤ人音楽家らに対す差別的中傷をしていたことなどが挙げられる(ただし、ワーグナー本人多くユダヤ人親交結んでいた)。 なお、トスカニーニも、イスラエルワーグナー指揮している。トスカニーニ1938年(≒ナチ全盛期4月24日4月25日に、テルアビブイェルサレムパレスティナ交響楽団指揮。『ローエングリン』の第1幕への前奏曲第3幕への前奏曲演奏した演奏中に降りトスカニーニが「神が降らせたのだ」と言ったとされる2005年9月イスラエル陸軍ラジオ記者対し軍服着た者とは話したくないとインタビュー拒否したところ、イスラエルの教育大臣バレンボイムを「本物反ユダヤ主義者」だと非難した2008年1月パレスチナ自治政府から名誉市民与えられた。 2009年1月、まさにイスラエル2008年~2009年ガザ侵攻のさなかに行われたウィーン・フィルニューイヤーコンサートにおいて、指揮者バレンボイムは「2009年世界平和の年になるように、中東人間正義が行われるように、私たち期待します」と英語でスピーチした。これに先立ってバレンボイム声明発表し私たちユダヤ人は、無辜の民虐殺どれほど非道許せないものかを、他の誰よりも痛感しているはずだ」とし、イスラエルに対して「より賢明な行動を」と、パレスチナとの共存訴えたイギリスガーディアン誌は「勝利幻想」と題してその声明全文掲載した

※この「彼の言動をめぐるパレスチナ問題」の解説は、「ダニエル・バレンボイム」の解説の一部です。
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