形削盤とは? わかりやすく解説

形削盤〈/一八六三年、オランダ製〉

主名称: 形削盤〈/一八三年オランダ製
指定番号 108
枝番 0
指定年月日 2000.06.27(平成12.06.27)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 1台
時代区分 欧米 19世紀
年代 1863
検索年代 1863
解説文: 形削盤(shaper)は、動力駆動する刃物によって、金属部品切削し、平面形状加工する工作機械である。この形削盤は、薩摩藩集成館機械工場で稼働した機械一種である。
 本機には、「NSBM FYENOORD 1863」の銘板があり、オランダ・ロッテルダム近郊の「オランダ蒸気船会社(Netherlandsche Stoomboot Maatschappij)」の製造になることが明らかである。動力源からの回転運動クランクラムによって水平運動変え刃物受けに取り付けた刃物バイト)を動かしてテーブル固定した金属部品切削する大まかな部品位置調節テーブルを受けるサドル上下させ、切削位置微調整ハンドル刃物上下させて行う。機構形状一九世紀ヨーロッパ特徴見られる
 藩主島津斉彬創設になる集成館は、文久三年一八六三)に英国艦隊鹿児島砲撃によって壊滅的な打撃受けたため、薩摩藩戦後すぐに工場再建着手し幕府長崎造船所通じて機械類導入技術者雇い入れ進め明治維新までに鋳砲工場蒸気鉄工機械所、紡績工場などが竣工した廃藩後一時官有となった後、再び島津家所有帰したが、機械類多く譲渡更新によって散逸した
 本機が、集成館設置され時期については明証を欠くが、文久二年から幕府長崎郊外立神【たつがみ】に工場建設計画し工作機械類を発注しているので、その設備として輸入され機械類のうちの一台とも考えられる。なお、国立科学博物館保管する竪削盤にも、同年、同製造者銘板がある。これも集成館旧蔵機械一台であったことが知られており、同じ伝来であろう
 本機は、幕末期導入され近代的な工作機械数少ない残存例の一つとしてわが国工業発達史上の貴重な歴史資料である。



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