彦山三所権現御正体とは? わかりやすく解説

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彦山三所権現御正体

主名称: 彦山三所権現御正体
指定番号 2550
枝番 00
指定年月日 1993.06.10(平成5.06.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 3面
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  忍骨尊像(イ)は鋳銅製の円形鏡板柄香炉えごうろ】を持して蓮台上に坐す鋳成僧形像を、伊邪那岐尊像(ロ)は冠を被り袍を着し両手に笏を持して床座に坐す俗形像を鋲止めしている。共に鏡板には覆輪懸け背面上部二か所に鈕を鋳出している。また(イ)(ロ)とも像と覆輪鍍金鏡面は鍍錫。
 鏡板(ハ)は像が欠失し、鏡板背面周縁に鈕帯を鋳出し鏡面に鍍錫している。
 彦山近世以降英彦山)は、古くより修験霊場として諸人崇敬集めてきた霊山である。山頂には北嶽中嶽南嶽三峰があり、その祭神次のように伝えられる(『彦山流記』)。
北岳法体【ほつたい】岳)……忍骨尊(天忍穂耳尊【あめのおしほみみのみこと】)
南岳俗体岳)……伊邪那岐尊
中岳女体岳)……伊邪那美尊
 本御正体のうち(イ)は忍骨尊、(ロ)は伊邪那岐尊、また像が欠失している(ハ)には伊邪那美尊いざなみのみこと】像があったことが推察される。
 三面下辺にある刻銘によってもこの三面彦山の三祭神表したことが明らかにされるが、勧進勤めた大千房については詳かでない
 懸仏かけぼとけ形式御正体形式編年を見ると、平安から鎌倉初期では像は鏡板に鋲止めし、背面に鈕を鋳出すのが通例で、鎌倉中期以降では像は鏡板に〓【ほぞ】止めされ、鏡板両肩に鐶座を設けて吊る形式へと変化しており、本件前者時期の作とみなされる
 さらにその像容においても、眦のやや吊り上がった細い眼の面差しは古様な神像共通するところであり、か彫りの深い衣紋【えもん】表現などにも同様のことがいえる。
 大形きわめて稀な神像御正体であるとともに肉取り豊かで、神像特有の森厳な像容表現見せ特色ある御正体として重要であり、か数少ない彦山権現信仰資料としても貴重である。
重要文化財のほかの用語一覧
工芸品:  幡、褥残闕  干網千鳥透鐔  張良図沈金鞍  彦山三所権現御正体  彩磁禽果文花瓶 板谷波山作  彩絵曲物笥  彩絵燈台



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