弾頭部
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「AGM-88 (ミサイル)」の記事における「弾頭部」の解説
ミサイルの前部にある弾頭部は、炸裂時に無数の金属片(資料によっては金属球)を撒き散らす爆風破砕弾頭を備えており、レーザー近接/接触信管で起爆される。C型以降では、弾頭片が鋼製からタングステン合金となり破壊力も向上した。AGM-88の弾頭は、目標となるレーダー施設を破壊し無力化するのはもとより、目標に到達した場合およびPBモード(後述)で目標を捕捉できずに自爆した場合の両方においてAGM-88自身の誘導装置も確実かつ完全に破壊することを課せられている。これは、敵軍にミサイルの技術、性能およびレーダーの情報が漏洩することを避けるためである。 AGM-88のメモリには彼我のレーダーを区別するために友軍のレーダー・パターンも記録されており、これが漏洩すると敵軍に味方のレーダーの妨害策を与えてしまう。また、敵軍が自軍の各種レーダー・パターンが記録されていることを知れば、そのパターンを変更されてしまい、結果として友軍の脅威が拡大してしまう。よって、誘導装置の自己破壊はAGM-88にとって重要な要素である。
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弾頭部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 01:57 UTC 版)
多くの対戦車ロケット弾は、無反動砲の原理で射出される。このため、弾丸の飛翔速度は同口径の他の直射火器と比較して低速である。ロケット弾を有効な対戦車兵器にすることができたのは、成形炸薬弾(HEAT)と組み合わせる着想からである。ロケット擲弾発射器は初速、つまり飛翔体の速度が遅いため、徹甲弾などで戦車の装甲を貫通することが困難だった。かと言って、大口径榴弾砲のように榴弾の爆発エネルギーだけで戦車を破壊することもできなかった。ところが、モンロー/ノイマン効果を利用した成形炸薬弾ならば爆発エネルギーを一点に集中する事で装甲を貫通することができる。このため、初速に関わらず貫通力を発揮することが可能で、ロケット擲弾発射器による有効な対戦車戦闘を可能にした。ロケット擲弾発射器は砲の内部にかかる圧力が低いため、構造を簡易軽量にすることができる。そのため、歩兵の個人携行が容易な対戦車ロケット擲弾発射器が製作可能であった。長年、成形炸薬弾頭が一貫して採用されてきたが、近年では大きな運動エネルギーで装甲を貫通するCKEMなども開発されている。 ほとんどの種類の弾頭は翼を持つ。これは、旋動安定方式ではモンロー/ノイマン効果のメタルジェットが遠心力で分散してしまい貫徹力が落ちるので、弾丸の旋回を最小限にするために翼安定方式が採用されているためである。 特殊な弾頭として、パンツァーファウスト3に採用されているプローブ付き成形炸薬弾頭は、弾頭先端に長さを調節できるプローブと呼ばれる信管の一部がついており、スタンドオフを変えることによってHEAT指向にも榴弾(HE)指向にもできる。他に、RPG-7のPG-7VR弾頭は、2つの成形炸薬が1列に並んだタンデム式弾頭を搭載しており、爆発反応装甲を無力化できる。
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